中古プリウスの注意点は?30系の基礎知識!前編
私がプリウスに乗り始めたのは、30系プリウスが販売され始めた2009年。オーナー歴も10年に近づき、走行距離も11万キロを越えました。気がつけば、お気に入りの黒いプリウスもガッチリ中古車になってしまいました(笑)。
でもですね。だからこそプリウスの長所や短所、それから「中古プリウスの注意点」も分かってきました。
プリウスはハイブリッド車なので、バッテリーやエンジンの仕組みが複雑です。それに伴う注意ポイントがたくさんあります。
もし中古プリウスの購入をお考えなら、今からご紹介する注意点をご理解の上、じっくり検討なさることをおすすめします。あれこれ調べている時こそが、一番楽しい時間ですからね!
そんなこんなで今回は、オーナー歴10年の私が「中古プリウスの注意点と失敗を防ぐ基礎知識」について考えてみました。
注意点を知るためにバッテリーの仕組みを知る
プリウスの注意点を知るには、ハイブリット車の仕組みを知ることが肝心です。特にバッテリーについては独特ですから、まず基礎知識を身につけておきましょう。
プリウスは、普通の車より「バッテリーが 1つ多く」使われています。装備されているバッテリーは、次の2種類です。
- 駆動用バッテリー
モーター走行や エンジンの始動に使用
(ハイブリッド車特有のバッテリー) - 補機バッテリー
システムの起動や 電装系に使用
(普通の車と 同じ形のバッテリー)
プリウスの特長といえば、高い燃費性能ですね。その燃費に魅力を感じて、購入に踏み切る方も多いと思います。かく言う私も、その1人です。
そして、その燃費を支えているのは「ハイブリッドシステム」。そのシステムの中でも、駆動用のバッテリーは重要な役割を果たしています。
つまり、要となる「駆動用バッテリー」には注意が必要です。
「補機バッテリー」については、それほど心配は必要ありません。ただ、これもプリウス専用のものが使われています。なので、注意点としてはあげておかなければなりません。
早速、それぞれについて見ていきましょう。
駆動用バッテリーのメンテナンス費用
購入時に、まず知っておかなければいけないのは「駆動用バッテリーのメンテナンス費用」でしょう。
駆動用バッテリーは、後部座席の下に入っています。トランクを開けて床のパネルを開けると、スペアタイヤの前方に「駆動用バッテリーの側面」が顔を覗かせています。
駆動用バッテリーは、EV走行(走行用モーター)やエンジンの始動、電動エアコンの電源などに使われています。そんな、大容量の電気が必要なところで活躍しているんですね。
たくさんの電気が必要なので、バッテリー自体も「かなり大型」になっています。なので、バッテリーの寿命が尽きて交換するとなればそれなりの費用が掛かります。
ここでのポイントは、プリウスの駆動用バッテリーって、
- 寿命は どれくらいなのか?
- 交換費用は どれくらいなのか?
この2つについて、サクッと見ていきます。
駆動用バッテリーの寿命
中古車になると、走行距離も多くなります。なので、駆動用のバッテリーもヘタる可能性があります。ここで問題なのは、「駆動用バッテリーの寿命」は予想しにくいって事なんですね。
そうは言っても、だいたいの予想はしなければいけません。そんな時には、過去の事例を知ることが一番。情報収集は大切です。
そこでガンガン情報を集めたら、次のような結果になりました。
あくまで私達プリウス仲間で調べたデータですが、プリウスを中古で購入する時には参考になると思います。
詳しい記事は、こちら。
駆動用バッテリーの交換費用
駆動用バッテリーを交換すると、ちょっとばかり高額になってしまいます。これも、情報収集の結果です。
あくまで、自費で交換した場合の費用です。保険に入っていれば、話は別です。
詳しい記事はこちら。実際の交換費用や、保険のことについても書いています。
これらの情報を頭に入れておけば、「過剰な心配はいらない」ということです。もちろん、突然に故障するといった例外もあるでしょう。ただそれは、プリウスだけに限られたことではありません。
補機バッテリーの交換費用
補機バッテリーは、ライトやオーディオなどの「電装系を担当するバッテリー」です。
外見は、通常のバッテリーとほとんど同じです。が、プリウスは室内のトランク下に設置してあるので、ガスが漏れないように対策がしてあります。
その関係で、価格もちょっと高めです。
- ネット価格:15,000円 ~ 30,000円 程度
- ディーラー:23,000円程度 ~
ネットでの価格幅が大きいのは、純正でも「2種類の補機バッテリー」があるからです。
どのバッテリーが付いているかは、プリウスのグレードではなく純正HDDカーナビの有無でその型番が決まります。
詳しい記事はこちら。
駆動系みたいに高額にはなりませんが、30系プリウスなら覚えておきたい注意点です。
プリウスの維持費用について
プリウスは、意外に維持費用は掛かりません。もちろん燃費が良いので、ガソリン代も安く済みます。
ただ、ここでは「車検費用」や「通常のメンテナンス費用」について見てみましょう。良い意味での注意点です。
車検費用は 意外に安い!
車の維持費用の中でも高額なのは、なんといっても車検です。なので、「ハイブリッド車は 車検費用が高いのでは?」と心配される声をよく聞きます。
でも、そんな事はありません。
最初の車検費用(3年車検)は、上の写真の通りです。
- 整備代金・手数料 ・・ 51,450円
- 法定費用 ・・・・・・ 33,550円
- 合計 ・・・・・・・・ 85,000円
※ この費用には、エコカー減税(-7,500円)が適用されています。これを足しても「92,500円」で済んだことになります。
2回目の車検費用(5年車検)がこちらです。
- 整備代金・手数料 ・・ 51,060円
- 法定費用 ・・・・・・ 43,940円
- 合計 ・・・・・・・・ 95,000円
※ この時は、「ワイパーのゴム」や「発煙筒」を交換しています。これがなければ、おそらく「9万円ちょい」でしょう。
車検はもちろん、ディーラーでなくても受けることができます。その場合は、もう「1万~2万」減らすことも可能です。私としては、ディーラーをおすすめしますが。
詳しい記事は、こちらです。
ではなぜ、「プリウスは車検費用が安い」のでしょう? それは、メンテナンス費用が思いのほか掛からないから。引き続き、この理由について考えてみます。
メンテナンス費用が安い理由とは?
バッテリーについては最初にご説明しました。なので、ここでは、「バッテリー以外のメンテナンス費用」について見ていきましょう。
「プリウスのメンテナンス費用」が安い理由はこれ。
- ブレーキパッドが ほとんど減りません
我が家のプリウスも「90,000㎞越え」ですが、いまだに交換していません。車検を2回通しましたが、それでも問題なしです。 - ファンベルトが ありません
プリウスのエンジンには、そもそもベルトが1本も使用されていません。なので、ベルトの交換費用は不要です。 - エンジンオイルの 交換周期が長く取れます
私は「15,000㎞ごと」でしか、エンジンオイルの交換をやっていません。それでも、まだまだ快調に走っています。
つまり、今までの車では「必須だったメンテナンス費用」があまり掛からない訳です。この辺りは、うれしい誤算ですね^^
ブレーキパッドが減らないのは「ブレーキパッドの作動率」が普通の車より低めだから。これは、回生ブレーキの恩恵です。回生ブレーキとブレーキパッドは、切っても切れない関係にあります。
詳しい記事はこちら。減らない理由が分かります。
オイル交換距離の「メーカー指定は 15,000㎞」です。納得出来ればこのタイミングでOKです。
それでは遅すぎるっ! と感じられるかもしれません。そう思われたなら、ぜひこの記事を。目から鱗かもしれません。
プリウスで9万キロ以上走りましたが、大きなトラブルはありません。メンテナンスは、すこぶるシンプルです。
前編のまとめ
前編では、主にメンテナンス費用に関わるものを見てきました。
まず「駆動用バッテリー」の寿命と交換費用。これは情報を仕入れておけば、必要以上に心配することはないと思います。
それから「補機バッテリー」について。これも専用のバッテリーであることだけを押さえておきましょう。
そして、それ以外の維持費用は「思いのほか安い」ということです。
これだけでは、まだまだ書き足りません。「燃費」や「安全性」、それから「快適性」については後編で。