プリウスのホイールナット!形状の基本から危険な失敗例まで
プリウスのホイールナットを選ぶ時には、ちょっと注意が必要です。なぜなら、プリウス用に販売されているホイールは、一般的な規格とは違っていることがあるからです。
ホイールナットは、アルミホイールの規格に合っているものでなければいけません。ナットの種類を間違えると大変危険です。
実は私も、ナットの種類を間違えたままでワンシーズン乗ったことがあります。気づいた時には、恐怖心からじわっと冷や汗が出たものです。あわせて「タイヤが外れなくて良かった!」と安堵したのを今でも覚えています。
そんな訳で今回は、ホイールとナットの種類について書いてみます。一度理解してしまえば簡単ですので、ぜひご一読ください。
ナットの形状
ナットには、主に3種類の形状があります。ナットがホイールと接触する部分に注目してください。
上の図の通り、ホイールと「接触する部分の形状」がそれぞれ違っています。斜めのものや球状のもの、そして平面のものがあります。そして、それぞれに名前がついています。
- テーパーナット・・・すり鉢状
- 球面ナット・・・・・球状
- 平面ナット・・・・・平面
テーパーナットは斜めになっていて、球面ナットは文字通り球面です。そして我が家のプリウスは、トヨタなので平面ナットが使われています。
では引き続き、ナットの受けになるホイールの「ホール形状(ナットを受け止める部分)」についても見ていきましょう。
ホイールの 座の形状
ホイールのナットと接触する部分を「座」と言います。このホイールの座の形状にも、主に3種類あります。
座の呼び方も、ナットと同じです。テーパーと球面、それから平面座です。
- テーパー座・・・すり鉢状
- 球面座・・・・・球状
- 平面座・・・・・平面
ナットと同じように、座の形状が3種類とも違っています。もうお気づきだと思いますが、ナットの形状と座の形状が同じものでないといけません。間違えると危険です。
では、ここを間違えると「なぜそんなに危険なのか?」大事なところなので、もう少し詳しく説明していきます。
ナットとホイールの整合性
本来、ホイールとナットが接触する部分は面でないとダメです。面で押し付けられていれば、摩擦力が高くなりナットが緩まないのです。正しいナットを選べば、必ずそうなっています。
それに対して、線で接触するとはどういうことでしょうか? 分かりにくいと思いますので、私の経験談を例に上げて解説します。
ナットの種類を間違えた結果
ナットの種類を間違えると、ホイールとナットの接触する部分が線になってしまいます。線になると摩擦が極端に少なくなり、ナットが緩む可能性が高くなります。
我が家の、プリウスでの実例です。
平面座のホイールに、テーパーナットを使用した結果、ホイールと接触したところに傷がはいっています。つまり、このキズの線の部分だけでホイールを締め付けていた訳です。この組み合わせで使い続けると、走行中にナットが緩む可能性が高くなります。
なお、定期的に増し締めをしたとしても、今度は逆に締まり過ぎてホイールが変形したりします。結局、危険な状態になることは間違いありません。
繰り返します。ナットの形状と、ホイールの座の形状は、必ず合っていないといけません。
この例は、大手カー用品店でアルミホイールを購入した際に起こりました。ナットも店員さんに選んでもらいましたが、私はその間違いに気が付くことはできませんでした。
実際に、プロでもこんなミスがありますから注意が必要です。このような危険を避けるには、自分の知識を上げておくしかありません。
我が家のプリウスの場合、正しいナットは平面座ナットだったのです。これについても、サクッと見てみましょう。
プリウス専用アルミホイールには平面座ナットがあるので要注意
プリウス純正のホイールは、平面座です。
ナットと接触する部分が平面になっていますので、当然ナットは平面を使用します。
そしてもちろん、プリウス純正のナットも平面です。
ちなみに純正の平面ナットはワッシャー付きですね。
なお、社外品のアルミホイールのほとんどは、座の形状がテーパーになっています。この場合にはもちろん、テーパーナットを使用します。
ただし注意したいのは、プリウス専用設計の平面座ホイール(アルミ)が出ていることです。このプリウス用の平面座ホイールには、間違わずに平面ナットを使わなければなりません。
最後に テンパータイヤについて
純正のままのプリウスに乗っている場合は、平面ナットを使用していると思います。でもテンパータイヤ(スペアータイヤ)の座の形状は、スチールホイールでなのでテーパー座なんですよね。
これってパンクした時のために、テーパーナットをわざわざ持っていないといけないのでしょうか?
答えは、平面座ナットで大丈夫です。平面座ナットは先端がテーパーに対応していて、その部分でスチールホイールを止めるようになっています。
トヨタ純正の平面ナットの先端を良く見てみると、スチールホイールのテーパー座に合う形状になっています。
なるほど~よく出来ています! これでパンクをしても、自信を持ってテンパータイヤと交換することができますね。やはり基礎知識は、学んでおかないといけません。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。