ヘッドライト磨きの耐水ペーパー!粗さ選びと磨き方
ヘッドライト磨きに使う「耐水ペーパー」って、どんな粗さのものを使ったら良いのでしょう? ライトをヤスリで削る訳ですから、ちょっと慎重になりますよね。わかります ..その気持ち。
私も愛車のヘッドライトを、いくつも磨いてきました。黄ばみが特にひどかったのは、黒のグロリアだったかな。でも磨きを掛けたおかげで、グロリアへの愛着がグッと増しました。
ペーパーで「黄ばみ」や「くもり」を取ると、ヘッドライトの輝きを取り戻せます。ただ上手に磨き上げるには、耐水ペーパーの「粗さ選び」や「磨き方」が大切です。
今回は、ヘッドライトの黄ばみを除去する工程のひとつである「耐水ペーパー」について、次の順番で見ていきましょう。ペーパーの「粗さ選び」や「磨き方」の基本を押さえれば、作業への不安も少なくなりますよ。
耐水ペーパーの 粗さの選び方
ヘッドライト磨きをするにあたって、大切なのが「耐水ペーパーの粗さ」です。この粗さのことを「番手」といいます。
耐水ペーパーの番手とは、ヤスリ表面に付いている粒子の粗さ(粒度)を数字で表したものです。
番手表示の例
- #1000 → 1000番(粗め)
- #1500 → 1500番(中め)
- #2000 → 2000番(細め)
番手の数字が小さければ目が粗く、大きければ目が細かいペーパーです。
基本的には、2から3種類の番手を使います。最初は粗めのペーパーで磨き始めて、だんだん細めへと変えていく訳ですね。
ちなみにネットでは、多くの番手が入っているセット品もあります。
これなら、#240から#3000まで、11種類もはいっています。車でヘッドライトだけではなく、お風呂にある鏡の曇り取りや、キッチンのシンクの磨き上げなんかにも使えそうですね。
ヘッドライト磨きなら、
- 1000番から始めて1500番と2000番までの3種類
- 1500番から2000番までの2種類
といった使い方が一般的でしょう。
とはいえ実際には「どれくらいの番手から始めるのか?」が悩みどころですよね。ここを間違うと、ライト磨きが上手くいきません。
最初の番手は ダメージで選ぶ
最初に使用する番手を選ぶポイントは、ライトのダメージで判断すること。
- ダメージが大 >> 粗めや中めから
黄ばみやくもりがひどければ、「粗め」や「中め」の耐水ペーパーから磨き始めるのがおすすめです。 - ダメージが少 >> 細めから
逆にダメージが少なければ。「細め」の耐水ペーパーから始めるのがおすすめです。
これが、私が考える番手選びの基本です。ダメージが大きい場合に「粗めや中め」から始める理由は、その方が早く多く削れるから。
大事を取って細めの番手から始めても構いませんが、黄ばみやくもりの取れ具合が良くないことも考えられます。削れる量が少なくなりますので。
「ダメージが大きいライト」の場合は、1000番や1500番からの作業が効果的です。ただし粗いペーパーほど深い傷が付きますので、その後に細めのペーパーでキッチリならさないといけません。
「ダメージが少ないライト」の場合は、2000番だけでも磨きの効果が見込めます。ただ深い傷が付かない半面、黄ばみ等を取り切るまでには、思ったより時間が掛かることもあります。
ダメージは ヘッドライト表面に多い
なぜライト表面を削る量にこだわるのかというと、黄ばみの原因がライト表面にあることが多いからです。
ヘッドライトの黄ばみは、ライトの表面で起きていることがほとんどです。黄ばみを綺麗にするには、その劣化した部分を取り除くことが必要です。
黄ばみの原因についての、詳しい記事はこちら。
つまりヘッドライトのダメージが大きければ、粗めの番手で多く削る必要があります。逆にダメージが少なければ、細めの番手で少し削っても効果が出ることになります。
ここまで理解されれば、あなたのヘッドライト磨きはすでに半分成功しています。ちょっと言い過ぎかな(笑)。では引き続き、耐水ペーパーでの「磨き方」について見ていきましょう。
耐水ペーパーでの磨き方
ヘッドライト磨きで使う耐水ペーパーは、「粗め」から「細め」へと順番に使用します。これは先程も触れた通り、磨きの基本ですから問題ありませんよね。
大切なのは、粗めや細めといった番手の違う「ペーパーを使う目的」を知ること。
分かりやすくするために、「粗め」から「中め」、そして「細め」の3種類を使用すると仮定して説明していきます。(もし2000番だけで磨くなら、その2000番で「すべての目的」をいっしょに果たさなければいけません。)
粗めで磨く目的は 黄ばみ取り
最初に使う粗めのペーパーでは、ライト表面の劣化した部分を取り除くことが目的です。
粗めの工程では、「黄ばみやくもり」をきっちりと取り除きましょう。どれくらいのダメージを受けているかにもよりますが、程度に合わせて削る量を調節します。
ここでのポイントは、「ライト表面の黄ばんだ部分」をあまり残さないこと。
■ 黄ばみが取れたかどうかは、磨いている時の「削りかすの色」で判断します。磨き初めの削りかすは黄色っぽい色で、磨き続けると白い色に変わってきます。
もし黄ばみが残っていたら、その後の工程ではほとんど取れません。最初の番手で手を抜けば、それ以降の番手では取り返すことが難しくなってしまいます。
ただ、黄ばみが本当にひどいヘッドライトの場合は、ある程度の段階であきらめましょう。劣化が表面だけではなく内部まで進んでいると、黄ばみをすべて取り切ることはできません。
ヘッドライトの黄ばみが「どれくらい取れるのか?」は、この工程にかかっています。
中め細めの目的は 傷のならし
中めや細めの耐水ペーパーは、粗めの番手で付いた傷をならすことが目的です。この段階では、黄ばみや曇りを削ることが目的ではありません。
- 中めの番手(1500番)で 傷ならし
ここでの目的は、あくまで「傷のならし」です。削ることよりも、ならすことだけを考えましょう。 - 細めの番手(2000番)で 仕上げ
最終的にライトの表面を整える工程です。通常はこの後に、コンパウンドでの鏡面仕上げをします。
つまり、1つ前で使用した「粗い番手の傷を残さない」ことが肝心です。ずいぶん簡単なことに見えてしまいますが、実際にはそこそこ失敗したりします。
そうならないためにも、番手の数字を500番より多く離さないことをおすすめします。例えば、1000番から2000番と使ってしまうと、傷はなかなか綺麗になりません。というか、2000番で何倍もの時間を掛けないとならなくなってしまいます。
最終的に「どれくらい綺麗に仕上がるのか?」は、この工程にかかっています。
さて、研磨が終わったあとの処理についても見ておきましょう。終わりよければすべてよしです。
研磨が終わった後の処理
耐水ペーパーでの研磨が終わったら、コンパウンドとコーティング剤での仕上げがおすすめです。それぞれの目的は次の通りです。
- コンパウンドで鏡面仕上げ
耐水ペーパーだけでは、目には見えない傷がまだ残っています。その傷を鏡面仕上げをすることにより、傷に入り込む汚れからくる劣化を遅らせることが目的です。 - コーティング剤で劣化防止
紫外線による劣化防止が目的です。削った後のライト表面は、紫外線防止のコーティングがなくなって、デリケートで劣化しやすくなっています。
コンパウンドで磨くなら、微粒子(3000番程度)から初めて超微粒子(9000番程度)で仕上げるのが理想です。
コーティング剤は、ヘッドライト専用のものだと半年程度は効果が持続します。これを塗らないと、だいたい2ヶ月〜3ヶ月で黄ばみが復活してしまいます。
コーティング剤は、業務用から一般用のものまで千差万別です。次に記事では、そのなかからおすすめのコーティング剤を4つ紹介しています。
「黄ばみ除去」から「コーティング」までの、本格的な施工方法ならこちらを参考にしてください。プロにも負けないくらいに、ピッカリさせることが可能です。
まとめ
いろいろな項目を見てきましたので、それぞれのポイントをもう一度まとめておきます。
- 耐水ペーパーの 粗さの選び方
- ダメージが大 >> 粗めや中めから
- ダメージが少 >> 細めから
- 耐水ペーパーでの 磨き方
- 粗めの番手(1000番)で 黄ばみ落とし
- 中めの番手(1500番)で 傷ならし
- 細めの番手(2000番)で 仕上げ
- ペーパーでの 研磨が終わったら
- コンパウンドで鏡面仕上げ
- コーティング剤で劣化防止
記事前半でもご紹介した、おすすめがこれです。
ヘッドライト磨きは、ひとつひとつの作業を確実にこなせばば難しい作業ではありません。
ただ時間については、ぜひ余裕をもって取り組んでください。昔の私みたいに「日が落ちて 仕上げがいい加減になってしまった!」な〜んてことに、なりかねません。
それでも番手で迷った時には
実際に私が最初にライトを磨いた時にも「どの番手から始めたら良いのか?」で迷いました。ダメージとの兼ね合いがちょっと難しいですからね。
参考までに、私が昔やった方法を書いておきます。迷った時には、細めの耐水ペーパーから始めるやり方もありです。この方法は、リバース研磨方式とか呼ばれているみたいです。
- 2000番からはじめる >> 黄ばみが取れればOK!
- 2000番で取れないなら >> 1500番を試す
- それでもダメなら >> 1000番から始める
この方法は手間がかかるので、時間も掛かります。ただし失敗は少なくなります。初めての作業で、不安のある方にはおすすめの方法です。ぜひお試しください。