タイヤ交換は工具だ!トルクレンチは必要か?

2014年3月27日

夏タイヤと冬タイヤの交換時期が、毎年、毎年、やって来ます。昔は色々なところで交換をお願いしていたのですが、これだけ回数が重なると工賃もバカになりません。

タイヤを取り替えるだけで、「この工賃はもったいない」と感じてはいたのですが、今までズルズルと頼んでいました。

そしてついに「毎年頼むなら自分でやってしまえっ!」ということで、数年前から自力でタイヤ交換を年2回やっています。ちゃんと出来るかどうか、最初はちょっぴり心配でしたけど^^

30プリウスのタイヤをトルクレンチを使って交換しているところ

このタイヤ交換は、コツを掴めばそんなに難しくはありません。ただ作業をする前に、ちょっとした知識を仕入れておけば非常に安心です。

そんな訳で今回は、なぜトルクレンチが必要なのか? それから「レンチを選ぶ時の注意点」もあわせて書いてみます。自分でやってしまえば、購入費用の元はすぐに取れますよ。

トルクレンチは必要か?

プリウスのタイヤ交換で使っているトルクレンチ

結論から先に書くと、タイヤ交換にトルクレンチは必要です。

交換作業をするにあたって1番大切な工具が、ナットを締め付ける時に使う「トルクレンチ」なんですね。

トルクレンチとは

トルクレンチは、メモリを「指定のトルク」に合わせるだけで、適正な力で締め付けることが出来る工具です。

ナットにトルクが伝わっているところ

車のメンテナンスに熟練した方は、レンチを回す感覚だけでトルクが分かる方も世の中にはいらっしゃいます。ただ私の様な素人が、感覚だけで適正なトルクで締め付けるのは至難の業です。

トルクは、強すぎても弱すぎてもいけません。適正なトルクで締め付けていないと、次の様なことが起こりやすくなります。

締め付けトルクが適正でないと
  • トルクが弱すぎる → ナットが緩む
  • トルクが強すぎる → ボルトやナットの破損

最悪な場合には、走行中にタイヤが外れてしまいます。そんな事故を起こさないためにも「締め付けトルク」には特に注意を払うことが大切です。

トルクは強すぎてもダメ

私もトルクレンチがないと、つい強めに締めてしまいます。だって、タイヤが外れるのが一番怖いですから。

30プリウス-タイヤのボルト

そうすると、ボルトやナットに大きな負担が掛かります。極端な例を上げると、ボルトが伸びたり、ちぎれたりすることもあります。結局、ナットが緩むよりずっと危険だったりします。

こんなことを書いていると「タイヤ交換は怖い!」という印象を持たれるかもしれないですね^^;

でも、心配はいりません!

トルクレンチを正しく使えば、誰が交換しても「適正なトルク」でタイヤを取り付けられます。もちろんあなたも、その例外ではありません。

スポンサーリンク

トルクレンチは 設定範囲に注意

トルクレンチを選ぶ時には、その設定範囲に注意して下さい。

普通車の締め付けトルクは、100〜120N・m(ニュートン・メートル)程度です。この範囲が設定出来るトルクレンチでないと、買っても意味がありません。

トルクを表す単位について

N・m(ニュートン・メートル)とは、トルクを表す単位です。少し前までは kgf・m(キログラム・メートル)と言う単位が使われていました。

換算する時には、次の様に考えると分かりやすいですね。

100(N・m) ≒ 10(kgf・m)

※ ざっくり、キログラムに10を掛けるとニュートンになります。

私が愛用しているのは、BALのトルクレンチ(おすすめです)。

BALのトルクレンチ

このレンチのトルク設定範囲は 30~180N・m ですので、軽自動車から普通車まで十分にカバーしています。

レンチのトルク設定範囲

先程も触れたように、普通車の締付けトルクは 100〜120N・m 程度。軽自動車は 90N・m くらいです。

2023年7月20日追記

最近は、設定数値がデジタル表示になっているものもあります。便利そうですが、1万円以下のお手頃価格の商品の口コミを見ると、動作が不安定なものもあるみたいです。やはりアナログのほうが、品質が安定していて長持ちしそうです。

大橋産業(Ohashi Sangyo)
¥4,939 (2024/11/18 21:10時点 | Amazon調べ)

これを機会に、愛車の説明書で「締め付けトルク」を確認してみましょう! ネットでも検索できます。

ちなみに、我が愛車のプリウスだと、

3代目プリウス-タイヤの締め付けトルクのマニュアル

このように記載されています。この場合の締め付けトルクは「103N・m」です。

トルクレンチは 付属品も吟味したい

トルクレンチには、色々な付属品が付いています。私が気を配ったのは、付属品のソケットが、アルミホイールに対応しているかどうか?

アルミホイールは、ホール(ナットが収まっている穴)が細い製品があるので、薄型のソケットでないと穴に入らない場合があります。

アルミホイールにあるホールの大きさ

そんな時に頼りになるのが、アルミホイール対応の薄型ソケット。ソケットの肉厚が薄く作られているので、ホールが小さめでも対応できます。

BALの場合は、3種類の大きさの薄型ディープソケットが付属しています。

トルクレンチ付属のディープソケット

なので安心ですね。また、ディープな(穴が深い)ソケットなので、仮にボルトがナットより出っ張っていても、しっかりナットまで届きます。(サイズは、17mm・19mm・21mmです。)

それから、もう1つ。ソケットに取り付けて使うエクステンションバー!(ソケットの長さを、延長するツールです)。

これを付けると、ボディーとレンチの距離が取れて便利です。

トルクレンチのエクステンションバー

エクステンションバーがないと、レンチを握った手がボディーやタイヤに近くなるので、作業がしづらくなってしまいます。そのため、交換にかかる時間も長くなってしまいます。

タイヤ交換の時間について

タイヤ交換は、実際にやってみると意外に時間が掛かります。せっかく自分でやるなら、出来るだけサクッと済ませたいところです。

そのためには、それなりのツールが必要になってきます。

タイヤ交換の作業時間が、劇的に削減できるクロスレンチ油圧ジャッキの記事がありますのでぜひ見ていって下さい。この定番である2つの工具は、やっぱりおすすめです。

最後に

今まで見ていただいた通り、タイヤの締め付けトルクは弱すぎても強すぎてもいけません。ぜひトルクレンチを使って、適正な強さで取り付けて下さい。同乗する大切な人を守ることにもつながります。

プリウス純正のホイールとナット

あわせて「トルクの設定範囲」は愛車に合うものを選ぶこと。そして付属品のソケットは「アルミホイールに対応」しているのかを確認しましょう。そうすれば、ホイールを買い換えても末永く使えます。

そしてなにより、愛車をメンテナンスすることの楽しさが味わえます。いぶし銀に光るトルクレンチを手にすれば、あなたも大人の技術屋の仲間入りです。

スポンサーリンク

2014年3月27日タイヤ