30プリウスの補機バッテリー交換方法!自分でやれば圧倒的に安くなる
30プリウスの補機バッテリー交換は、ディーラー等にお願いすると通常「3万〜4万円程度」の費用がかります。ただネットで買って自分で交換すると、半額以下の「1万5千円程度」でできてしまいます。
その差額は2万円を超す勢いですから「アッと驚くため五郎」です(古っ!)。交換の手順さえ覚えてしまえば、圧倒的に安くなるのです。
またメモリーバックアップ装置を使うと、交換後のメモリー復旧作業がなくなり作業を早く済ませることが可能ですです。さらに、しっかりとした絶縁をすることで安全な交換作業が行えます。
つまり、今回の補機バッテリー交換は、
- 安い(自分でやれば圧倒的に安い)
- 早い(メモリーバックアップで工程短縮)
- 安全(確実な絶縁で安全作業)
といった、牛丼の吉野家さんにも勝るとも劣らない取り替え手順を目指します。あっ、それから松屋さんの味噌汁みたいな、お得感のある情報もアツアツでご提供します(笑)。
補機バッテリーを交換する流れと予備知識
まず作業するにあたって「補機バッテリーを交換する流れ」と「予備知識」を軽くご説明しておきます。
補機バッテリーを交換する流れ
- ルームライト等のスイッチを切る
補機バッテリー交換中に「点灯しっぱなし」になるライトは意外と多いものです。電圧低下によるメモリーバックアップの失敗を防ぐための処置です。 - メモリーバックアップ装置の接続
通常は補機バッテリーのケーブルに直接つなぎますが、今回はエンジンルームのヒューズボックスにつなぎます。 - 補機バッテリーを新品と交換する
交換部分の手順を把握するには、次の動画がおすすめです。3分ほどでザックリとした雰囲気がつかめます。
- メモリーバックアップ装置を外す
手順は取付時と逆になります。ヒューズボックスにつないだことによって、作業が楽になっています。 - ライト等のスイッチを戻して動作確認
問題がなければ交換作業は終わりです。不具合がでたら、それぞれの機器の取説に従ってください。具体例もあげています。 - 古いバッテリーの処分
補機バッテリーを通販で購入しても「廃棄バッテリー回収サービス」が利用できるので安心です。
補機バッテリーの予備知識
30プリウスには補機バッテリー」と「駆動用バッテリー」の2つのバッテリーが搭載されています。今回交換するのは補機バッテリーです。2つの違いは次の記事で分かります。
30プリウスの補機バッテリーには、性能の違いによって2つの選択肢があります。選び方については次の記事を参考にしてください。
ハイブリッド車は今までの車と仕組みと違うので、あらかじめ予備知識が頭に入っていると理解が深まります。
それでは、大まかな流れをイメージしながら具体的な交換方法を見ていきましょう。
ルームライト等のスイッチを切る
まず、ルームライトなどのスイッチを切ります。目的はメモリバックアップ装置の負担を減らしたいためです。
※ メモリバックアップ装置とは、メモリ内容が失われないようにバッテリー交換時に電力を供給するものです。
使い方は、次の章で詳しくご説明します。
というのも、30プリウスの補機バッテリー交換は「バックドアを開けたまま」作業をします。スイッチが入ったままだと、ルームライトなどのランプが点灯しっぱなしになります。
ランプが点灯しっぱなしだと、メモリバックアップ装置の負担が大きくなり心配です。今回のメモリバックアップ装置は乾電池を使っているので、バックアップの時間が少なくなるかもしれません。
一方、ルームライトなどの明かりを消しておくと、交換時の消費電力が少なくなります。たとえ、なにかしらのトラブルが起きて作業時間が長引いたとしても安心です。
ライトのスイッチがある場所はこんなところです。
運転席の上にあるパーソナルライト(前方のルームライト)。
後部座席の上にあるルームライト。
また空気清浄器が付いていれば、元の電源をオフにしておきます。
それから、トランクルームにあるライト。
小さいけど、ここも消しておきます。
これで、ライトの準備はOKです。引き続き、メモリーバックアップ装置を準備していきましょう。
メモリーバックアップ装置の接続
先程もチラッとご紹介しましたが、メモリーバックアップ装置はこのようなものです。
これはエーモンさんの商品ですが、旧製品(単三6本:9V)になってしまいました。現在は新製品(単三8本:12V)がでています。
多くの場合、旧製品(9V)でも問題ありませんが新製品(12V)だとより安心です。補機バッテリーの電圧は12Vなので、電圧が高い方(12Vに近い方)がメモリーバックアップ機能が安定しますから。
さらにワニ口クリップもガッチリ改良されていて、作業時に外れにくくなっています。金額は上がっていますが、新製品の方が松屋さんの味噌汁付き牛丼くらいのお得感があります。
これを、しかるべき場所につないでいきます。
今回は、バックアップ装置をエンジンルームのヒューズボックスにつなぐ方法で作業を進めていきます。
というのも、30プリウスの補機バッテリーは車内の後方にあるトランクルームの下にあって、直接トランクルームのバッテリー端子につなぐと交換作業が少しやりにくくなるからです。
「エンジンルームのヒューズボックス」は「トランクルームのバッテリー」とつながっていて、この方法でも、バッテリーに直接つないでいることと同じ状況になる訳です。
ボンネットを開けると、エンジンルームに向かって右側にヒューズボックスがあります。
ボックスの手前にある爪を外して、カバーを取り外します。
するとボックスの奥に「赤い端子カバー」が確認できます。
その赤いカバーをクルリと開けると、銀色に光る板状の「プラスの端子」が現れます。
この端子に、バックアップ装置のクリップを取り付けます。
マイナスの端子は、エンジンルーム内の「未塗装の金属部分」に取り付けてください。ちなみに30プリウスの取説では、ここが推奨されています。
これで、バックアップ装置の準備は完了しました。
補機バッテリーの交換作業に続きます。
補機バッテリーを新品と交換する
私が購入したのは、GSユアサのプリウス用バッテリーです。
さて、いよいよ交換作業です。改めてですが、30プリウスの補機バッテリーはトランクの下にあります。
トランク中央のカバーを取り外して、右側のカバーも開けます。
右のカバーはプラスチック製なので、力が入りやすいところに手をかけて軽く持ち上げるとすぐに外れます。
すると、補機バッテリーが顔を出しました。
バッテリーの右上にも小さなカバーがあるので、これも取って ...
バッテリーを固定しているステー(固定器具)を外します。ステーはナット2本(上下)で止まっています。両方とも緩めて外しましょう。
使うスパナの大きさは、10ミリのものを用意してください。ほとんどの国産車は、10ミリのスパナ1本だけでバッテリー交換ができます。
続いて、マイナスのケーブルを止めてあるナットを緩めて外します。ここも10ミリです。
ケーブルを外したら、とりあえず軍手をかぶせます。
マイナスケーブルはプラスケーブルほど気を使うことはありませんが、無条件に絶縁させると安心感がでて気分が楽になります。
プラスケーブルもナットを緩めて外します。このケーブルには安全のために赤いプラスチック製のカバーが付いています。
こちらも、すかさず軍手をかぶせます。
これで、ショートすることはありません。
プラスケーブルは、金属部分にふれるだけでショートするので注意が必要です。必ず絶縁処理をしましょう。
さらに、30プリウスはトランクルームに補機バッテリーがあるため、ガスを車外に逃がすチューブが付いています。このチューブを外します。引っ張ればスポッと抜けます。
これでバッテリー交換の準備ができました。
いよいよ新品のバッテリーと交換です。ちょっと重いので慎重に。
とりあえず新品に置き換えました。
そうしたらケーブル等を元の状態に戻してください。
完成形はこれです。
手順は、いままでと逆です。
- ホースを取り付ける
- プラスケーブルを接続する
- マイナスケーブルを接続する
- ステー(固定器具)を取り付ける
- カバー類を取り付ける
プラスケーブルのショートに気を付ければ、難しいところはありません。落ち着いて確実に作業しましょう。
ここまでくれば、バッテリー交換は終ったも同然です。ただ「最期の動作確認」までが遠足です ...いや交換作業です(キリッ!)。
バックアップ装置外しに続きます。
メモリーバックアップ装置を外す
メモリーバックアップ装置を取り外します。
手順は、取付時と逆です。
- マイナス側のクリップを外す
- プラス側のクリップを外す
- ヒューズボックスのカバーを取り付ける
この時も、プラス側のケーブルをショートさせないように気をつけましょう。ちなみに、メモリーバックアップ装置にもヒューズが入っています。
カバーがしてあるので通常は見えませんが、ショートするとこのヒューズが切れるはずです。
ライト等のスイッチを戻して動作確認
ルームライト等のスイッチを戻して動作確認をしてみましょう。メモリーバックアップの効果で、カーナビなどの情報も残っているはずです。
もし不具合がでた場合は、それぞれの機器の取説に従ってください。
例をあげると、
自動全閉(ボタンをグッと引き上げると指を離しても窓が全部閉まる)操作で「窓が完全に閉まらない」などの症状が出た場合は、パワーウィンドのリセット作業を試してみる。
- パワーウインドの下げるボタンを押し続けて窓を開けて、全開後もさらに1〜2秒開けるボタンを押し続ける。
- パワーウインドの上げるボタンを引き続けて窓を閉めて、閉まった後もさらに1〜2秒閉めるボタンを引き続ける。
この作業は、各座席のボタンで(後部座席の窓なら後部座席にあるボタンを使って)試してみてください。運転席からの操作では、上手くいかないことがあるようです。
ハンドルを左右両方、いっぱいに切ってみる。
など、対応は様々です。
特にカーナビは、一度電源が切れるとパスワードを聞いてきたりする機種もあるので説明書等で一度確認しておくと安心です。
続いて、バッテリーの処分です。
古いバッテリーの処分
補機バッテリーの交換が終わったら、使い終わったバッテリーの処分が待っています。もうひと踏ん張りです。
通販で購入した場合
通販でバッテリーを購入した場合は「廃棄バッテリー回収サービス」を利用しましょう。宅配便で送ることで処分できます。
バッテリーを注文する時に一緒に買えば、廃棄バッテリーの発送伝票も一緒に送られてきます。我が家の場合は730円でした。
廃棄バッテリー回収サービスは、新品バッテリーを購入する際に同時に購入するのがおすすめです。回収サービスだけを別に注文すると、発送伝票の送料(200円程度)がかかってしまいます。
処分のやり方は、使い終わったバッテリーを新品バッテリーの空き箱にいれて発送伝票を貼るだけ。後は指定の運送会社に連絡すれば取りに来てくれます。
ホームセンターなどで購入した場合
バッテリーを売っているホームセンターなどは、購入時のレシートを持って行けば廃棄バッテリーの引き取りサービスが受けられたりします。購入前にサービス内容を聞いておきましょう。
その他にも、ガソリンスタンドや自動車整備工場などでも引き取ってくれるところがあります。こちらも、料金を含めて事前の確認が必要です。
最期に、ディーラーやガソリンスタンド等で交換をお願いした場合の費用について触れておきます。
ディーラーやガソリンスタンドでの交換費用は?
交換方法は分かったが「どうしても時間が取れない!」という方もいらっしゃるでしょう。そんな時には、プロにお願いするしかありません。頼むところによって、費用は変わります。
補機バッテリーの交換費用 | |
---|---|
ディーラー | 30,000円 〜 40,000円 程度 |
ガソリンスタンド 自動車整備工場 | 20,000円 程度 |
自分で交換 | 15,000円 程度 |
※ 補機バッテリーが標準タイプでの試算です。大容量タイプを選ぶと6,000円ほど高くなります。 |
近くのガソリンスタンドや整備工場を探すなら、グーピットがおすすめです。ネットで買ったバッテリーやタイヤなんかも取り付けてもらえます。
まとめ
情報が多くなったので、補機バッテリー交換の「作業手順とポイント」をまとめておきます。
- ルームライト等のスイッチを切る
目的はメモリバックアップ装置の負担を減らすためです。 - メモリーバックアップ装置の接続
エンジンルームのヒューズボックスにつなぎます。 - 補機バッテリーを新品と交換する
外したケーブルには軍手等をかぶせて絶縁しましょう。 - メモリーバックアップ装置を外す
手順は取付時と逆です。 - ルームライト等のスイッチを戻して動作確認
不具合がでたら、それぞれの機器の取説に従ってください。 - 古いバッテリーの処分
「廃棄バッテリー回収サービス」の利用がおすすめです。
最初は不安で「自分での交換」に踏み切れないこともあるかと思います。ただ、その一歩を乗り越えれば吉野家さんばりに「安く」「手間なく」「安全に」がモットーな交換作業が身につくはずです。
しかも、2万円浮けば牛丼が50杯くらい食べられます(笑)。
メンテナンスはやり遂げた瞬間の達成感がなんともいえません。終わった後は、きっと今までよりもプリウスに愛着が湧いていることでしょう。少しでも、あなたのバッテリー交換の助けになれば嬉しく思います。
30プリウスのバッテリーについては、面白いかもしれない記事をたくさん書いています(汗)。気にならなくてもぜひ遊んでいってください。