プリウスのエンジンのかけ方!えっ ..かからないのが正解?
トヨタのディーラーで、初めてプリウスを試乗した時のことです。玄関脇に用意された白いプリウスに乗り込んで、営業のTさんに言われるまま、恐るおそる始動の操作をします。
- ブレーキペダルを踏んで ..
- パワーボタンを押して ..
「えっ ..エンジンが、かからない?」 その様子を見ていた営業のTさんは、落ち着いた笑顔でこう言いました。
「かからないのが、正解です!」
試乗の前には、プリウスの情報は仕入れていました。モーターで走ることも知っていました。でも、実際に操作してみると「ん? えっ?」て、なっちゃうんですよね!
あれから、かれこれ6年。今だから言える「プリウスのエンジンのかけ方」を、初心に戻って解説してみます。
パワースイッチは電源をONするだけ
最初に、普通の車とプリウスの始動方法の違いを簡単に説明します。「プリウスα」や「アクア」のようなトヨタのハイブリット車も、基本的な考え方は同じです。
普通の車は、走る前に必ずエンジンを掛けます。掛かっていなければ車は走りませんからね。ただ、プリウスでは「エンジンをかける」と言う操作はありません。
プリウスでは「フットブレーキを踏みながらパワースイッチを押す」という操作が、エンジンをかける操作に似た意味を持ちます。でも、この操作はコンピューターに電源を入れるだけ。エンジン始動とイコールではありません。
その後は、エンジンの状況によって動作は変わります。エンジンが冷えていれば10秒程度で勝手に掛かりますし、温まっていれば掛かりません。
そして、パワースイッチを押した後の走行可能な状態を「レディ状態」と呼んでいます。エンジンがかかってなくても「レディ(走行可能な状態)」であればモーターで動きます。
つまりプリウスでは、
エンジンをかける = レディ状態にする
と考えてもよいでしょう。
言い方を変えると、普通の車でエンジンをかける操作をすると「プリウスはレディ状態になる」ということです。
そこのところを、もう少し詳しく見ていきましょう。
レディ状態にするには?
では実際に、レディ状態にするにはどんな操作をするのか?
普通の車と比較してみます。
普通の車 | プリウス | |
---|---|---|
目的 | 発進の準備 | |
操作 | ブレーキを踏んで キーをひねる OR パワーボタンを押す | ブレーキを踏んで パワーボタンを押す |
動き | エンジンがかかる | レディランプ点灯 |
ブレーキペダルを踏んで、パワーボタンを押す!
違うところは、エンジン始動の代わりにレディランプが点灯すると言うところです。
レディランプは、メーターの中にあります。このランプが点灯していれば、レディ状態です。ついていれば「準備OK〜!」ってことなんですね。
まぁ、いちいちREADYのランプを確認しなくても、パネルが点灯していれば通常はレディになっています。
エンジンは掛かっていても、いなくても、アクセルを踏めばいつでも発進出来ます。なので、プリウスはエンジン始動の操作をする必要はありません。
つまり、エンジンの「かかる・かからない」は、プリウスに任せてしまえばいいのです。レディランプがついていれば、運転の仕方は変わりありませんから。
でもエンジンをかける必要はないとはいえ「意識的に掛けたい」と感じる場面もあります。その解決法も押さえておきましょう。
「アクセルポン」でエンジンをかける
プリウスの理屈は分かった。「それでも、エンジンを掛けたいっ!」と思う場面があります。
つまり寒い朝なんかに、
- 少しでも早くエンジンを温めたい
- 10秒でも早く暖機運転を始めたい
こんな時です。
エンジンの冷えた状態でパワースイッチを押すと、10秒程待つとエンジンはかかります。そう、待てばいいのですが朝の忙しい時はその10秒が長い!
そんな時は「アクセルをポンッ!と軽く踏む」とエンジンが掛かります。踏み加減は全開の半分程度で結構です。もちろんパーキングレンジのままですよ。そうすれば即エンジンはかかります。
ハンドルも凍ってしまうような冬の寒い朝とか、一刻も早く暖房を効かせたい時などにとっても便利です。アクセルをポンと踏むので、この操作は「アクセルポン」と呼ばれています。
さいごに
さて、おさらいです。
エンジンをかけるには、
- ブレーキを踏んでパワーボタンを押す
- レディ状態 = 走行可能な状態
- 意識的にエンジンをかけるには「アクセルポン」
以上がポイントでした。
レディになったら、いつでも発進出できるのは今まで説明した通りです。ただ「Dレンジ」に入れる時には、ブレーキを「しっかり踏んだ状態」でシフトを操作して下さい。ブレーキペダルの踏みが甘いと、ピッピッ と警告音がなってDレンジに入りません。
公道でこれをやってしまうと、かなり焦ります!
だって、発進出来ませんからね。
失敗して ピッピッ!
また失敗して ピッピッ! ピッピッ!
5年以上前の私の経験談です(笑)。警告音を聞くと混乱してしまい失敗に気が付きにくいものです。落ち着いて運転しましょう。
また、「エンジンがかからない時の基本的な対応」を知りたい方は、次の記事がおすすめです。「簡単なトラブル」や「うっかりミス」に対応できれば、あっさり解決できるかもしれません。