ヘッドライトにLEDバルブ!車検に通すポイントとは?

2015年10月18日ヘッドライト

最近、なにかと話題の多いLEDヘッドライト。カーショップやネットでも、魅力的なLEDバルブが続々と販売されています。

LEDはハロゲンよりも、消費電力が少なくて明るい!こんな商品説明を見ると、「バルブ交換するならLEDでしょ!」なんて気持ちになってしまうのは、私だけでしょうか?

ただし、バルブだけをLEDに交換する時には、少しだけ注意が必要かもしれません。なぜなら、車検に必ず通るとは限りませんから。

私の周りでも、車検で苦労したプリウス仲間がいます。「ちょっと車検を甘く見ていたな〜」と本人はそう言っていました。

そんな訳で今回は、ハロゲンライトを「社外品のLEDバルブ」に交換する場合。そんな時に大切な「車検に通すポイント」について書いてみます。

車検対応の表示があれば通るのか?

車検対応のヘッドライトLEDバルブ

最近のLEDバルブは、車検対応の製品が多くなっています。売れ筋のものであれば、なおさらですね。ただ、商品に「車検対応」の表示があるからといって「必ず車検に通るのか?」というと実はそうでもありません。

車検に通るには、ヘッドライトはいくつもの「チェック項目」をクリアすることが必要です。その中でも、「バルブが原因で車検に通らない理由」として考えられるのは次の3つです。

車検に通らない理由
  1. 明るさが足りない
  2. 配光がおかしい
  3. 色味が極端すぎる

それぞれについて、順に見ていきましょう。

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明るさは最低基準

プリウスのハロゲンヘッドライト

最初に、明るさについて。当然ながら「車検の明るさの基準」を満たしていないと車検はクリア出来ません。

ここで注意すべきところは、バルブが明るくても「明るさの基準」を満たせない場合があるということ。そして「どの場所の明るさなのか?」を知ることがポイントです。

ヘッドライトの明るさは、「測る場所」によって2つに分けられます。

明るさを計る場所

車検では、「照らされる側の明るさ(cd)」を測定します。LEDバルブの明るさ(lm)は関係ありません。

  • 照らされる側の明るさ ・・ cd(カンデラ)
  • バルブの明るさ ・・・・・ lm(ルーメン)

もちろんバルブがそれなりに明るいと、照らされる側も明るくなります。これについては「車検対応との表示」があるLEDバルブであれば問題ないはずです。

そして問題なのは、バルブ自体が明るくても「照らされる側の 明るさが足りない場合」です。

どんな状況で、そんなことが起きるのか? その原因は、ヘッドライトの焦点にあります。

ヘッドライトの焦点について

ヘッドライトの焦点は、反射板やレンズ、それからバルブとの組み合わせで変わってきます。この組み合わせが悪いと、いくら調整をしても焦点は合いません。

良い例と悪い例を、それぞれ見てみましょう。

焦点の良い例と悪い例
ヘッドライトの焦点

焦点が合っているので、光はレンズからまっすぐ出ていきます。なので、目標を明るく照らせます。


焦点が合っていないので、光は拡散してレンズから出ていきます。これでは目標を明るく照らすことは出来ません。

ヘッドライトの焦点 悪い例

悪い例の様に光が拡散されてしまうと、車検時の測定点で十分な明るさが得られません。こうなってしまう原因は、ハロゲンバルブとLEDバルブの発光点のズレや光り方の違いです。

つまり、いくらLEDバルブが明るくても、ヘッドライトの光量不足が原因で車検に通らない事態が起こり得ます。こんな事態を避けるためには、バルブが愛車に適合しているかどうかを確認することです。

適合の認定とは

信頼出来るメーカーは、どのバルブがどんな車種に適合しているかを独自に検査しています。そして、その情報をユーザーに提供しています。

バルブメーカーが適合の認定を出していれば、バルブとヘッドライトの組み合わせが良いということです。

もし適合しているとの情報が得られれば、ほぼ問題ありません。後は調整をキッチリやるだけですから。

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配光はメリハリが必要

ヘッドライトの配光とは、どこを明るくして、どこを暗くするかの光の配分のことです。特にロービームでは、上側の部分を暗く、下側の部分を明るくしてメリハリをつけなければいけません。

なぜなら、上側を暗くすることで、対向車や先行する車の視界を確保するためです。要するに「対向車や後続車のヘッドライトが眩しくて見えないっ!」といった状況を防ぐための配慮ですね。


この配光も、LEDバルブとヘッドライト全体の組み合わせが大事ですから、愛車との適合を確認することをおすすめします。

車検での検査方法について

実はこの配光に関しては、今までの車検ではあまり重視されていませんでした。実際にハイビームだけがチェックされて、ロービームの配光が少し悪くても車検に通っていたものです。

ただ、2015年の9月からロービームも検査される内容に変更されました。眩しすぎるHIDやLEDヘッドライトがあまりに増えすぎて、危険と判断されたためです。

しかし今、車検の現場では不思議なことが起こっています。例えば、現在のユーザー車検では次の順番で検査が行われています。

  1. ロービームでの検査:OKであれば 即合格
  2. ハイビームでの検査:ローでNGだった場合のみ
ヘッドライトの配光 ハイビーム

最初にロービームの検査が行われて、合格すれば検査はそれで合格です。そして合格でなければハイビームでの検査に移り、そこでクリア出来ればそれでもOKです。

本来なら、ロービームの検査が不合格であれば、ロービームを再検査しなくては車検の意味がありません。検査基準を満たしていない訳ですからね。なぜ、こんな検査方法をやっているのか?

プリウス仲間や、ディーラーに聞いてみると ...

検査方法の変更後、再検査が多発して業務が回らなくなったために、苦肉の策で検査方法を緩和したのが真相のようです。

車検対応という視点から考えると、気を付けないといけないのは、今のゆるい検査方法が暫定的だということです。

2015年9月から変更された検査の「本来の目的」は、眩しくて危険なヘッドライトを規制するためです。その目的を達成するために、今の緩和措置が徐々に厳しくなるのは自然ですから。

まとめると、配光が「検査基準に取り入れられている」ということだけではなく、安全性の面からもロービームのLEDバルブには特に気を配る必要があると思います。

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色味は極端すぎはダメ

色味についてはあまり心配ありませんが、少しだけ書いておきます。

ヘッドライトは、青すぎても黄色すぎても車検には通りません。極端すぎてはダメなんですね。

ただ車検対応の表示があれば、色味が原因で車検に通らないパターンはまず無いはずです。そんなLEDバルブは大体無難な色味をしていますから。

最近のヘッドライトは、青白い光が流行しているので極端に青い製品も良く売られています。でも、そんなLEDバルブに手を出すのはやめましょう。

霧がかかった道

車検に通らないのはもちろんですが、見た目の眩しさとは裏腹に、ドライバーからの視認性は悪くなることがほとんどです。特に雨や霧の中では、前方が青白い幕に覆われた様に見えにくくなってしまいます。

まとめ

内容を、もう一度まとめます。

ヘッドライトのバルブを交換する時には、次の「3つのポイント」に注意して適正なバルブ選びましょう。

  • 明るさが十分なバルブ
  • 配光が正しく出る適合バルブ
  • 色味が極端すぎないバルブ

そうすれば、LEDヘッドライトでも車検に通るはずです。

最後に、実際の「バルブ装着〜光軸調整」から「ヘッドライト検査(車検)」までの動画をリンクしておきます。リアル感が味わえると思いますよ。車検場は「東京運輸支局」です。

それから、ヘッドライトのバルブ交換を考える時に、どうしてもLEDと比較してしまうのがHIDです。それぞれのバルブに特徴がありますから、ぜひ知っておきたいですね。

これについては詳しい記事があります。明るさや寿命、色味についてももう少し詳しく書いていますので参考にして下さい。

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