ドラム式洗濯機の掃除方法!実録お手入れマニュアル 保存版
ドラム式洗濯機の掃除 ..先延ばしにされていませんか? もしそうでしたら、今すぐのお手入れをおすすめします。
「ドラム式の汚れは 軽い段階で取る」のが鉄則です。ひどく汚れてしまってからは、「家庭では取りきれない」といった手遅れの状態に進んでしまうこともあります。
とはいえ「すでに放置状態だから!」と、あきらめてはいけません。そのまま放っておくと事態はさらに悪化します。
我が家のドラム式は、購入から約7年。その間には「乾燥ができない」とか「臭い」とか、いろいろなトラブルを経験しました。
ただ、現在ではすべて解決して快適に使っています。やはり大切なのは「適切なお手入れ」なんだなと、しみじみ感じています。
ドラム式洗濯機の掃除は、コツさえつかめばそんなに大変なものではありません。7年に渡る試行錯誤の経験から、今でもやり続けている「効果的な掃除方法」をご紹介します。
あわせて、失敗の経験から学んだ「こんなことは おすすめできない!」みたいな情報も挟んでいきますので参考にしてください。
お手入れの場所と掃除の方法
まず、ドラム式洗濯機の掃除をするにあたって大切なのは、汚れを放置しないということです。
「こんなところも 汚れていたのかっ?」と悪臭などが出始めてからだと、苦労します。それよりも汚れが軽い内に掃除をすれば、手遅れにならずに楽に落とせます。
そこで「手遅れになりがち」なところを、優先度が高い順にピックアップしてみました。
※ タップすると、各項目に移動します。
我が家の経験を元に、苦労した順番に並べています。
日頃のお手入れで、見逃している部分はありませんか? 汚れやホコリを取り切ってしまえば、「いやな匂い」や「乾燥しにくい」などのトラブルも解決するかもしれません。
また掃除の頻度については、その周期を「年イチ」「月イチ」などと表しています。我が家の経験によるものですが、参考にしてください。
- 年イチ :年に1回程度
- 月イチ :月に1回がおすすめ
- 毎回 :洗濯するたびが望ましい
- 不具合時:トラブルが発生した時
では早速、それぞれの掃除方法を見ていきましょう!
洗濯槽の裏側
ドラム式洗濯機の掃除で、なにがなんでも汚したくないところが洗濯槽です。洗濯槽の裏側には、カビや雑菌がよく発生します。ひどくなってしまうと、家庭のお手入れだけではなかなか取り切れません。
使う洗剤や掃除の方法は、その目的によって変わります。
- 洗濯槽クリーナーでのカビ取りや汚れや落とし(超強力)
- 塩素系漂白剤での除菌(掃除とカビの予防)
- ドラムの乾燥(カビの予防)
【年イチ&カビが発生した時】洗濯槽クリーナーでの槽洗浄
洗濯槽をとにかく綺麗にしたいときには、カビや汚れがよく落ちる「洗濯槽クリーナー」を使います。特に何年も掃除していない頑固なカビや汚れは、洗浄力が強いクリーナーでないと落ちないことがほとんどです。
この洗濯槽クリーナーは、メーカーが指定しているものが超強力なのでおすすめです。
指定クリーナーの詳細については、こちらの記事で。どの商品を選ぶべきか、その理由もあわせてご説明しています。
この掃除を「年イチ」でやっておくと、ドラムの裏側が綺麗になると同時に、カビ等の予防にもなります。
もしカビや雑菌が発生してしまったら、洗濯物に「茶色や黒の汚れが付く」もしくは「カビ臭い・なま臭い」などの症状がでます。この洗濯槽クリーナーは、そんな時でも効果的です。出来てしまったものは取るしかありません。じっくりとやってみましょう。
手順は次の通りで簡単です。
- 槽洗浄コースを開始
- 給水が終わったら 一時停止
- 洗濯槽クリーナーを投入して 再スタート
ただし、注意点があります。
- 洗浄時間は 半日程度かかる(機種による)
- 程度がひどいと 取りきれるとは限らない
- 1回で取れない時は 再洗浄が必要
このように、時間がかります。
特に「1回では取りきれないことがある」ということを、頭に入れておきましょう。洗濯槽の掃除が終わるまでは洗濯ができません。当たり前ですが、我が家はここで苦労しました。
また縦型洗濯機と同じで、黒カビがひどくなると取れにくい場合もあります。そんな時には、効果的なやり方があります。
取れにくい黒カビなどは、ひと工夫すると意外と上手くいきます。それは、お湯を使うこと。我が家では、このやり方で解決しました。詳しいカビ取りの方法は、こちらです。
この方法は家庭でできる最終手段ではないでしょうか? 結局、我が家はこの掃除方法で解決できました。逆にこれで取れなければ、おそらく業者さんにお願いするしかありません。
【月イチ】塩素系漂白剤での槽洗浄
漂白剤を掃除に使う目的は「洗濯機内の除菌」です。なので雑菌はもちろん、カビの発生を防ぐ効果もあります。
手順はやはり簡単です(洗濯槽クリーナーの時と同じ)。
- 槽洗浄コースを開始
- 給水が終わったら 一時停止
- 漂白剤を投入して 再スタート
これも半日ほど時間が掛かりますが、カビの発生をかなり少なくなります。あわせて除菌の後の清々しい気持ちを手に入れることができます。
気を付けておきたいのは「台所用の漂白剤はダメ」とうことです。いわゆるキッチンハイターとか。理由は次の通りです。
- 台所用は 界面活性剤が多い
- 界面活性剤は 泡が出やすい
- 泡が出ると 排水してしまう
こんなことから、台所用のキッチンハイターは洗濯槽の掃除には向いていません。
それなら「衣類用の酸素系ならどうなんだ?」と言うことで、実際に使ってみました。
結果は、始まってすぐに泡だらけです! この後に(おそらく半分くらい)排水、給水をして槽洗浄は続きました。
排水と給水をするのは、洗浄成分の濃度を薄めるため。そうして、泡を押さえる仕組みになっています。
やはりドラム式には、酸素系は向いていないようです。泡が上から溢れ出しても、困りますからね。塩素系漂白剤(衣類用)だと、こうはなりません。
【毎回】ドラムの乾燥
カビと雑菌は、乾燥を嫌います。これらが発生しなければ、苦労することもありません。つまり「洗濯槽の乾燥」は、究極の掃除方法とも言えます。これは手間がかからないので楽です(笑)。
洗濯槽が湿気っている状態が続くと、洗濯機も臭くなってしまいます。悪臭を断つ効果的な方法(モラクセラ菌の撃退)はこちら。
カビや雑菌を予防するには、とにかく乾燥させることです。最低でも、週に1回は洗濯物を乾燥させましょう。そうすれば、洗濯物といっしょに「洗濯槽」も乾きます。
さらに理想は、洗濯する度に乾かすこと。洗濯物を乾かさないのなら「洗濯槽」だけでも乾燥させるのがおすすめです。どのメーカーでも「洗濯槽を乾燥させるコース」があるはずです。
パナソニックの場合は「洗濯だけのコース」が終わったら、自動的に送風(ナノイー機能付き)が約1時間続きます。
電気代は「数円/1回」程度なので、ケチらずに使われることをおすすめします。カビ取りの苦労や費用を考えると、微々たるものです。
乾燥フィルターと温風の通路
ドラム式洗濯機は「洗濯物を乾燥させる度」に、フィルターに付いたホコリの掃除をしなくてはなりません。それから、時々掃除した方が良い場所もあります。
- 毎回:前側フィルターのホコリ掃除
- 月イチ:奥側フィルターのホコリ掃除
- トラブル時:温風通路のホコリ掃除
ただ、毎回ホコリの掃除をしていても「ちゃんと乾燥が出来なくなる」ことがあります。我が家でも1年くらい経った頃から、生乾きになることが増えてしまいました。
それを解決した方法も、あわせてご紹介します。
【毎回】前側フィルターのホコリ掃除
ここは、ご存じの通り「お手入れの定番」ですね。もちろん洗濯物を乾燥させる度に、ホコリを取り除きましょう。
新品のバスタオルなどを乾かすと、これくらい多くのホコリがたまることもあります。
新しいタオルの繊維は、ホコリがたくさん出るからです。数回乾燥させると、その量はだんだんと減っていきます。
また、目詰まりがしてきたら汚れを「水で洗い流す」と乾燥の調子も落ちません。濡らしたら、よく乾かしてから元に戻してください。
【月イチ】奥側フィルターのホコリ掃除
乾燥フィルターは、機種によっては2枚あります。
- すぐに取り外しができるフィルター(1枚目)
- 取り出しにくい奥側のフィルター(2枚目:奥側)
この場合、見落としてはいけないのが「2枚目の裏側」です。
表から見える部分が綺麗でも、裏側にホコリが残っていると乾きが悪くなります。なぜなら温風の通りも悪くなってしまいますから。我が家も「2枚目の裏側」のホコリに気が付かず、生乾きになりイライラさせられました。
我が家では、奥側のフィルターを掃除した後は快調です!新品の時とまったく同じになりました。劇的に変わる可能性があるので、おすすめです。
2枚目のフィルターを掃除する頻度は「1回/月」といったところです。ただ掃除の頻度は、洗濯物を乾かす量で変わると思います。我が家は3人暮らしですが、洗濯物をほぼ毎日乾かして月イチペースです。
【トラブル時】温風通路のホコリ掃除
ドラム式洗濯機は、乾燥フィルターの他にもホコリが溜まることがあります。それは、温風の通路(パイプ)です。
温風通路は、通常はホコリが溜まるところではありません。ただ、状況によっては、溜まってしまうこともあります。
経験上、乾燥フィルターの汚れがひどいと「温風の通路」にも、ホコリが溜まりやすくなります。フィルターを掃除しても乾燥ができない時には、疑ってみてもよいかもしれません。
我が家が「温風通路のホコリ掃除」に、初めて挑戦した記事はこちらです。まだ経験不足の頃の、我が家のドタバタ劇です。
お手入れマニュアルの前半では、「洗濯槽(ドラム)」と「乾燥フィルター」についての掃除方法を見てきました。
この2つのトラブルには、苦労させられました。ただ、対処方法を知れば問題ありません。実例を知っていただくことで「ご家庭の掃除方法」の参考になれば嬉しく思います。
さてさて「お手入れマニュアルの後半」は、比較的簡単なお手入れについて見ていきます。ただ、知っておきたい盲点についてもご紹介しますので、サクッ!とチェックしてください。
ドアのゴムパッキン付近
ちょっと見逃しやすい場所がここ。ドアのパッキンです。パッキンの奥には溝があります。この溝が汚れたままだと、匂いやカビの原因になってしまいます。
【毎回】ドアパッキンの溝掃除
洗濯が終わったら、パッキンの溝をタオルなどで拭き取りましょう。我が家では、古くなったハンドタオルを使っています。
時間がある時は、乾燥に入った後(まだ溝が湿っている時)に拭くとホコリがこびり付いていないので簡単に綺麗になります。汚れがひどい時は「台所用の中性洗剤」を付けても構いません。ほとんどの場合は、タオルを湿らせる程度で取れるはずです。
と、ここまでは一般的な掃除方法です。ただ今回は、引き続き「我が家のハプニング映像」を見ていただきます(驚)。
【ホコリがたまった時】ドラム隙間のホコリ掃除
いつものように、パッキンの掃除していた時のことです。ホコリのかたまりが、ちょこっと顔を覗かせていました。
「どうして こんなとこに?」と軽い気持ちで引っ張ってみると、ズルズル~っと芋づる式に、ホコリのかたまりが出てくるではないですか!
「こっ、これはもしかして、氷山の一角かもっ!」と、恐る恐る引き出してみたら ...想定外の事態に発展していました。
その時に取れた「フェルト状のホコリ」がこれです。
「う~~わっ!! なにこれ ..信じられない」 これが素直な感想です。結局、ぐるっと「ドア1周分のホコリ」を取り除きました。いつも綺麗に掃除をしていたつもりなのに、ここは完全に盲点でした。
フェルト状のホコリが隠れていたのは、パッキン奥の「ドラムの細い隙間」。この洗濯機を使い始めてからは3年半の頃ですので、その間に少しずつたまっていたようです。
その3年後、洗濯槽クリーナーを使った大掃除を済ませた時に事件はまた起きました。
その現場がこれです。ドン!
前と同じくドラムの隙間から出てきたホコリです。どうやら3年くらいドラム式洗濯機を使うと、どうしてもホコリがたまってしまうようです。
私が推測するには、
- 洗濯槽クリーナー(塩素系)でカビは溶ける
⇒ カビは綺麗に落ちて流れる - 洗濯槽クリーナー(塩素系)でもホコリは溶けない
⇒ 少しずつ溝周辺にたまっていく
⇒ 大掃除の時にフェルト状になって出てくる
⇒ 毎回現場で腰を抜かす(笑)!
こんな感じでしょう。たぶん。
我が家はパナソニック製ですが、東芝や日立でも基本的な作りは同じはずです。たまには「ドラムの隙間」のチェックをおすすめします。
洗剤ケースと その奥側
洗剤や柔軟剤を投入する「洗剤ケース」も、お手入れが必要です。ただ、ここは汚れてからでも大丈夫です。
【柔軟剤が固まった時】柔軟剤投入口の水洗
柔軟剤がケースに残って、固まっていることがあります。それはこんな時に起こります。
- しばらく掃除をしていない時
- 柔軟剤が固化している時
特に柔軟剤の「買い置き」をしていると、元はサラサラだった物が、ドロっと固化してしまうことがあります。固化した柔軟剤を使うと、流れきれずにケースの底に残ってしまいます。
そんな時には、投入口のカバー(写真では緑色)を取り外して、水で綺麗に洗い流しましょう。放置すると、匂いやカビが発生してしまいます。
【汚れがたまった時】投入ケース奥の掃除
洗剤ケースの奥も、盲点の1つです。溶けにくい粉末洗剤などを使うと、これも流れ切れずに固まっていることがあります。
なのでケースごと取り外して、その奥側もチェックしましょう。汚れていれば、ぬるま湯を流すなどして掃除すればOKです。
排水フィルターと その奥側
我が家の排水フィルターは、しばらく掃除しないとこうなります(汚いので ぼかしています)。 ここが汚れていると排水が悪くなり、洗濯機の故障にもつながりかねません。
【月イチ】排水フィルターの掃除
排水フィルターに溜まる汚れの多さは、洗濯する量で変わると思います。なので最低でも月に1回はチェックして、ご家庭に合う掃除の頻度を決めましょう。
【月イチ】「排水フィルターの奥側」の掃除
排水フィルターの奥も、たまには確認しておきたいですね。ずっと放って置くと、まあまあ汚れます。
ここの汚れは、お掃除グッズなどで綺麗にしましょう。我が家では、100円均一で買ったコップ洗いを使っています。スポンジなどの柔らかいものがおすすめですよ。
また、衣類やタオルに付くホコリが気になるのなら「ゴミ取りフィルター」が効果的です。排水フィルターに貼るだけで、糸くずなどをゴッソリ集めてくれます。
洗濯中の水は、洗濯機内部を常に循環しながら排水フィルターを何回も通り抜けています。つまり、ここにフィルターを貼ればゴミを一網打尽にできる訳です。
その代わり、ゴミ取りフィルターの交換は週に一回程度をおすすめします。なにせよく取れるし交換は簡単なので。
「タオルで顔を拭いたら 糸くずがついちゃう!」みたいな小さなイラつきだったら、これで解決できるはずです。
排水口
いよいよ、最後の排水口です。ここは、悪臭などのトラブルがなければ問題ありません。
ただし、下水のような匂いがする場合は「排水トラップ」がうまく機能していない可能性もあります。日頃のお手入れで、悪臭などが解決出来ない場合はチェックしてみてください。
【悪臭がしたら】排水トラップのチェック
排水トラップとは、下水の匂いを断つ仕組みです。下の図のように、常に「水のフタ」が出来ていて、下水からの悪臭を防いでくれます。
排水トラップの部品は、排水口のフタの下に入っています。それを取り出して、詰まっていないかの確認と、汚れていれば水洗いをします。
掃除の手順は、次の通りです。
- 洗濯機の 排水ホースを取る
- 排水トラップの 各パーツを取り外す
- 詰まり等がないかを確認する
- 水洗いの後に 元に戻す
排水トラップは部品がいくつもあって、少し複雑な作りになっています。その中には「回さないと取れない部品」もありますので、一度動画で確認しておくと作業がスムーズに進みます。
ただ、我が家のように「排水口がある場所が狭い」とか「排水口が洗濯機の真下にある」ような場合は作業も大変です。どうしても出来ない時は、業者さんの手を借りることも検討しましょう。
※ すべての排水口に「排水トラップ」が付いている訳ではありませんが、マンションなどではほぼ設置されています。
まとめと おさらい
かなり長くなりましたので、ポイントをおさらいしておきます。
お手入れをする場所は、
※ タップすると、各項目に移動します。
この6ヶ所でした。
記事のはじめにも書きましたが、これは我が家が苦労した順番です。ただこれは、それぞれのご家庭で変わってくると思います。ついては、あなたの「お洗濯ライフ」に合った優先度を、ぜひ見つけてみてください。
その頃には、コツが分かって楽に掃除できるようになるでしょう。それどころか、縦型にはない「乾燥の便利さ」や「節水」の恩恵にあずかれるはずです。7年使ってみた私の感想です。
そして最後に繰り返しますが、ドラム式洗濯機の掃除は「軽い段階でやる」のが鉄則です。先送りせずに、清潔な洗濯機を維持するように心がけましょう。