ディーゼル車のトルクが大きい理由!圧縮比と燃料供給に秘密があった

2015年5月20日

あなたは、ディーゼルエンジンを積んだ車の運転経験がありますか? ディーゼル車でアクセルを踏み込んだ時、背中がシートに「ぐう〜ん」と押し付けられる感覚は理屈なくたまりません。

車に乗り始めて30年。この傾向は現在の車でも続いています。

車を運転するドライバー

では、なぜディーゼルはトルクが大きいのか? その理由は、ディーゼルエンジンの仕組みにあります。

今回は「ディーゼル車のトルクが大きい理由」について、アニメーションを駆使して分かりやすくご説明します。

ディーゼル車のトルクが大きい理由

大型トラックが力強く走る様子

ディーゼルエンジンが、大きなトルクを生み出す理由は、

  1. 圧縮比の高さ
  2. 燃料供給のタイミング

この2つです。

これからアニメーションを使って解説します。サクッと攻略していきましょう。

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圧縮比の高さ

エンジンは、シリンダーの中に吸い込んだ空気や燃料を圧縮して爆発させます。ディーゼルとガソリンでは、この圧縮する比率がなんと2倍くらい違います。

アニメーションで見ると、こんな感じです。

大体の感覚がつかめるでしょうか? ご覧のように、ディーゼルはガソリンに比べて半分くらいにぎゅっと縮めています。

実際のエンジンの圧縮比は10〜20程度なので、アニメで見るよりももっと圧縮されています。

圧縮比の高さ
  • ディーゼルの圧縮比 ・・・ 20くらい 
  • ガソリンの圧縮比  ・・・ 10くらい

ガソリンエンジンでは10分の1に縮めるのに対し、ディーゼルエンジンでは20分の1まで空気をぎゅっと縮めているんですね。

圧縮比が高いと、どうなるかと言うと、

  1. ディーゼルは圧縮比が高い
  2. 1回の爆発の力が大きい
  3. エンジンが力強くなる
  4. トルクが厚くなる

圧縮比が高くなればなるほど、一般的にはトルクが厚くなっていきます。つまり厚いトルクの秘密は、20分の1まで縮める「すごく高い圧縮比」だったんです。

しかし圧縮比を高くするとエンジンへの抵抗も大きくなるので、あまり速く回せません。なのでディーゼルはトルクは厚いが、高回転型のエンジンには向きません

でも、ディーゼルだけがどうしてそんなに高い圧縮比に出来ちゃうのか? そこには、さらなる秘密が隠されています。

引き続き見てみましょう。

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ディーゼルの燃料供給は圧縮した後

どうして、ディーゼルは高圧縮が可能なのか? それは、燃料供給のタイミングにあります。

ディーゼルエンジンは、空気だけをシリンダーに吸い込んで20倍に圧縮します。20分の1にも圧縮された空気は、その性質上非常に高い温度になっています。

しかしシリンダーの中は空気だけなので、まだまだ爆発はしません。

ここが、肝心なところです!

「空気だけを先に圧縮」してしまうところが、ディーゼルの高圧縮の秘訣なんです。

ここは、次のガソリンの所で比較しますので、ちょっと覚えておいて下さい。

その空気が高い温度になった直後に、軽油をシリンダーの中に直接噴射します。そして、シリンダーの中で爆発します。ちなみに、ディーゼルには点火プラグはありません。超高温なので、噴射するだけで爆発します。

では、ガソリンエンジンではどうなんでしょう?

ガソリンの燃料供給は圧縮する前

ガソリンエンジンは、空気とガソリンを混ぜた物をシリンダーに吸い込んで10倍に圧縮します。ディーゼルが20倍にも圧縮するのに比べて、10倍とはいささか物足りないですよね。

ガソリンエンジンの場合には、吸い込む空気に予めガソリンを混ぜているため、20倍に圧縮すると圧縮途中で勝手に爆発してしまします。いわゆる、異常燃焼です。

ディーゼルは「空気だけの圧縮」なので、圧縮比を高くできます(20倍)! 対して、ガソリンエンジンは燃料混合なので圧縮比を高く出来ません(10倍)!

この燃料を供給するタイミングが高い圧縮比を生み出し、結果的に圧倒的なトルクに繋がっているのです。

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さいごに

エンジンのバルブ

さて、おさらいです。

ディーゼル車のトルクが大きい理由は「圧縮比の高さ」と「燃料供給のタイミング」でした。

  1. 圧縮比の高さ
    ディーゼルは圧縮比が高い
    1回の爆発の力が大きい
    エンジンが力強くなる
    トルクが厚くなる
  2. 燃料供給のタイミング
    ディーゼルは空気だけを圧縮する
    空気の圧縮なので異常燃焼が起きない
    圧縮比が高められる
    トルクが厚くなる

以上です。

最後に、追加の情報です。

今までの理由の他に、ディーゼルのトルクが大きいのは「ガソリンよりも軽油の方がカロリーが高い」ということがあります。同じ量のガソリンと軽油を爆発させたら、軽油の方が高エネルギーということです。

ただ、今回の記事は物理的な数字を求めるものではなく、一般車における「エンジンの仕組みの違い」にスポットをあてたものです。カロリーとトルクの関係については、専門家の方におまかせしたいと思います。

2015年5月20日エンジン