スタッドレスタイヤの寿命!年数の目安とビックリ節約術まで
スタッドレスタイヤの寿命って、年数はどれくらいなんでしょうか? 世間では「スタッドレスの寿命は3〜4年」とよく言われています。ただこれは「平均の年数」であって、あなたのタイヤに当てはまるとは限りません。
タイヤの寿命は、走行の状況や環境によって変わってきます。寿命かどうかを判断するには、それを見極めるための基本を押さえておく必要があります。

今回は「基本になるチェックポイント」を使った見極め方と、それだけでは分からない場合の判断の仕方を見ていきましょう。
あなたのスタッドレスタイヤは、
- そろそろ 限界なのか?
- もしくは まだまだ使えるのか?
愛車の使用状況も踏まえて、ジャッジしてください。
あわせて、できるだけ「タイヤ交換費用を節約したい」とお考えになっているあなたのために、ビックリ節約術もご案内します。
最後に「ゴムの柔らかさと制動距離の関係」と、過去に6年間同じスタッドレスを履き続けた経験から、その感想をシーン別ご紹介します。
寿命のチェックポイントは2つ

スタッドレスタイヤで安全に走行するには、次の2つのポイントが重要とされています。
- 溝の深さ ・・ 半分以上
- ゴムの柔らかさ・・ 硬化していないこと
これらを判断材料にして、寿命を見極めます。冒頭でも触れましたが、タイヤの寿命は平均年数ではなく、個々の状態で判断しなければなりません。
なぜなら、溝の深さは「走行距離」で大きく上下しますし、ゴムの柔らかさは「タイヤの特製や保管状態」でも変わってきます。
夏タイヤとは違った判断が必要ですから、それぞれを詳しく見ていきましょう。
溝の深さ
タイヤの溝の深さが半分以下になると、スタッドレスとしての効果はなくなります。つまり「1〜2年目のスタッドレス」でも、そうなれば寿命です。
※ 夏タイヤで判断する「スリップサインとは別の見方」ですので注意してください。
溝の深さの見分け方は、プラットホームというもので判断します。タイヤの溝をよ〜く見ると、タイヤ一周につき4個の出っ張りがあります。これがプラットホームです。

プラットホームを探す時には、タイヤの側面にある矢印を目安にしてください。その矢印の方向にプラットホームがあります。

プラットホームの出っ張りと、溝の深さが同じになると「溝の深さが そろそろ半分になりましたよっ!」というサインなのです。
タイヤがすり減ってプラットホームが出ると、こうなります。

これでは、スタッドレスタイヤとしては使えません。
ただ、プラットホームはスリップサインより「高い出っ張り」なので、スリップサインが出るまでは(規則的には)夏タイヤとして使うことはできます。
- プラットホーム 約5mm
スタッドレスタイヤ(新品)の溝の深さは、通常のものなら約10mm。プラットホームはその半分の高さなので、約5mmです。 - スリップサイン 約1.6mm
タイヤの溝の深さに拘わらず、普通は同じ高さです。
しかし、気温が高い時に使用すると制動距離等に問題が出てきますので、あまりおすすめはできません。詳しくはこちらに書いています。
ゴムの柔らかさ
スタッドレスタイヤは製造から年数が経つにつれ、ゴムが硬くなって「雪や氷上での摩擦性能」が落ちてきます。このゴムの柔らかさでの見分け方が、最も難しいところです。見た目や触っただけでは、なかなか判断がつきません。
一般的には、ゴムの硬度計というもので「タイヤの柔らかさを測り それで判断する」とされています。

硬度計の針が緑の範囲に入っていれば、まだやわらかい。黄色はそろそろ。赤なら固くなっていると表示してくれます。ある基準より柔らかければ「まだ寿命ではない」、硬ければ「もう寿命である」という訳です。
ただしこの方法は、自分でやるにはよほど経験がないとおすすめできません。というのも、メーカーやタイヤの性能によって「新品の時からゴムの柔らかさが違う」からです。
もともと柔らかさが違うタイヤを「一定の硬度になったから」といって、すべて寿命だと判断するのは無理があるでしょう。つまり、ゴムの柔らかさで「もう寿命なのか?」という判断は、極めて難しいものになります。
例えばブリヂストン系列のタイヤ館では、当たり前ですがブリヂストンのタイヤを多くメンテナンスしています(ちなみに上の写真の硬度計もブリヂストン製です)。
なのでブリヂストンのタイヤであれば、新品から劣化したタイヤまで多くのデータが蓄積されています。
つまり、そのような経験豊富なプロショプでは、豊富なデータを元に的確な判断をもらえるはずです。お近くに良心的なショップがあれば、相談してみても良いと思います。
それでも自分で判断したい場合には、どうするのか?
私は、過去のデータに頼ることにしています。具体的には「実際に年数の経ったスタッドレスタイヤが どれくらい使い物になるのか?」といった事例を見て参考にしています。
特に重視したいところは、
- 経過年数による制動距離の変化
- ゴムの柔らかさによる寿命(年数)
この2つです。
これについての事例をご紹介したいのですが、その前にできるだけ「タイヤ交換費用を節約したい」とお考えになっているあなたのために「ビックリ節約術」をご提案しておきます。
ビックリ節約術
スタッドレスタイヤを安く使うには、以下の3つの方法が考えられます。
- スタッドレスタイヤのレンタル
- タイヤの激安交換
- 寿命を延ばすための基本を知る
いやいや「買うんじゃなくて借りるんかい!」と、ツッコミの声が聞こえてきそうなレンタル術も含まれています(汗)。でも発想が、ちょっとビックリでしょ? 順に見ていきましょう。
スタッドレスタイヤのレンタル

スタッドレスのレンタルは、利用の仕方によってはかなり経済的な方法です。ただし、次のようなデメリットもあります。
- 短期間の使用が前提
- 早めの予約が必要
- レンタル店がまだ少ない
つまるところ、レンタルを使いこなすことができれば断捨離のようなスッキリとした爽快感が味わえます。
レンタルの例として、大阪にある人気店の記事を上げておきます。
タイヤの激安交換

タイヤ交換は、ついつい先延ばしにしがちです。もしその原因が予算にあるのなら、ネットでの購入を考えてみるのもひとつの手です。
街のショップで安いところを探すのも良いのですが、私のおすすめは「好みの通販ショップ」を探すことです。なぜなら、お好みのショップが見つかれば安心して長いお付き合いができるので、タイヤ交換のつどショプを探すといった無駄な労力がなります。
さらに、昔と違って「タイヤの持ち込み交換費用」が安くなっています。普通車1台分(4本)で1万円くらいはザラです。
通販をご検討なら、こちらに詳しい記事があります。
通販ショプをサクサク比較できる一覧表が使えるので、思いっきり吟味できます。
同じ予算でも格安なので、ワンランク上のタイヤも狙えますよ!
寿命を延ばすための基本

節約術の最後は、王道ともいえる「タイヤの寿命を延ばす」ということ。特に次の2点は購入時から徹底しておくと、その効果は抜群です。
- 保管前にタイヤをキレイにする

- 環境の良い保管場所を選ぶ
直射日光が当たらず、雨が掛からなくて温度や湿度の変化が少ないところがベストです。とはいえマンションなどでは、環境の良いところといえば室内しかありません。
妥協するとすれば、候補はベランダかな。その場合、タイヤカバーなどを使用するのが良い方法でしょう。保管場所としては、紫外線の影響が多くて環境が良いとは言えませんからね。私も持っています。

その他には、トランクルームの活用も候補としてあげられます。
ゴムの柔らかさと制動距離
さて、いよいよ「ゴムの柔らかさと制動距離」について。以前、ゴムの柔らかさで制動距離は変わるのか? そんなことを調べていたら、年数が経過したスタッドレスタイヤの、性能を知ることができる興味深い実験がありました。
雪道と氷上に分けて、新品・5年・10年経過したスタッドレスの制動距離の違いが見られます。公的機関のテストではありませんが、かなり参考になりますよ。
雪道での 制動テスト
雪道では、溝があれば「年数がたっても それなりに効果がある」ことが分かります。ただ、10年以上のタイヤになると、新品との制動距離の開きが大きくなっています。
ここは、製造後5年くらいに抑えたいですね。
氷上での 制動テスト
少しばらつきはありますが、テストで使われている国産有名メーカー(たぶんブリヂストン)の結果は、年数が経過するごとに制動距離が伸びています。
ここは、新品との差が2メートルに収まっている製造後3年〜5年くらいが限界かな。これらの実験により、ゴムの柔らかさが制動距離に影響することは分かりました。
ここでの注意点は、実際に使用していなくても「スタッドレスの ゴムゴムの柔らかさと制動距離、寿命は製造されてからの年数が大切なんですね。
スタッドレス 6年目の使用感
最終的に大事なのは、実際に走ってみてどうなのか? 6年目に入ったスタッドレスタイヤの使用感です。もちろん個人的感覚なので、ひとつの例として参考にしていただければと思います。
また、タイヤの使用感は「走行する路面の状況」によってずいぶん変わってしまいます。なので、①雪道、②シャーベット、③アイスバーンに分けて感想を分けてみました。
雪道

タイヤの溝が半分以上残っていることが前提ですが、雪道はそれほど問題ではありません。ただ、圧雪路の場合は滑りやすくなるので、それなりに慎重さが必要ですね。
新品と比べて7割くらいの性能です。
シャーベット

路面としては、雪が溶けてシャリシャリの状態ですが、そんなに問題は感じられません。
新品と比べて7割くらいの性能です。
アイスバーン

一番の問題は、アイスバーンです。新品のスタッドレスタイヤでも、滑ることもある恐怖のアイスバーンです。鏡のように光るつるつるの路面は、6年目のスタッドレスではかなりきつい!
新品と比べて3割くらいの性能です。
個人的感覚で言わせてもらえば、アイスバーンで新品当時の性能を求めるのは「3〜4年目まで」と考えていいでしょう。それでも、夏タイヤに比べれば雲泥の差ですが、新品の時の性能を期待するのは非常に危険です。
まとめ

「スタッドレスタイヤが 5〜6年使えるか?」と聞かれたら「使えます」と答えることもできます。しかしそれは、溝の深さや 走る路面の状況によりけりです。
性能は年々、明らかに低下していきます。特に、アイスバーンについてはゴムの硬化の影響で、新品のタイヤよりも、制動の距離が危険なくらい伸びるのは間違いありません。
結論としては、
- アイスバーン性能を考慮するなら 3〜4年
- アイスバーン性能を除外するなら 4〜5年
このくらいが適切だと考えます。
理由としては、氷上での制動実験の結果、タイヤメーカーの性能維持情報や実際の使用感、それからタイヤ購入の予算を考えた妥協点です。後は、あなたの環境と車の使い方を付加して判断してください。