車用エアコンフィルターの掃除方法!ボッシュも認める?ゆるいやり方
エアコンフィルターの掃除は、それなりの方法があるはずです。誤ったやり方では、逆に性能を悪化させるのかもしれません。
では実際に、どんな方法がおすすめなのでしょうか?
ここはひとつ「基本に立ち戻ろう」ということで、有名なフィルターメーカーでもある「ボッシュ」と「デンソー」に、掃除の方法を単刀直入に聞いてみました。
電話での問合せの結果、なんとも「ゆる〜い・やり方」にたどり着きました。私は30年以上も愛車のメンテナンスをしてきましたが、今さらながらフィルター掃除の基本を教えられた気がします。
今回は、メーカーとのやり取りを踏まえた「エアコンフィルターの掃除方法」をご紹介します。思わぬやり方に、目が点になるかもしれません。
あわせて「水洗い」や「エアーブロー(空気でホコリを飛ばす方法)」の、良し悪しについてもご案内します。これからのメンテナンスに、きっと役立つはずです。
エアコンフィルターの掃除方法
まずは、基本中の基本から。
エアコンフィルターの掃除方法に対する「ボッシュ」と「デンソー」の回答は次の通りです。
- 掃除ではなく 交換がおすすめです!
まとめると、残念ですがこうなります。
ただし、建前を聞くだけでは電話をかけた意味がありません。
「いやいや、分かってはいますが ..」
「車の取扱書には、掃除OKと書いてます ..」
「もし、やるとしたら ..」
「こんな方法はどうですか ..」
などなど、掃除方法の例をあげながら質問しました。そして唯一ボッシュに認めてもらえた方法がこれです。
このような「ハケ」を使って、
ホコリをやさしく取り除きます。溝の奥まで掃除できるように、毛足が長めのハケが向いています。私は100均で買いました。
ただし「あくまで掃除をするとしたら」との前提です。ボッシュさんも、そこは強調なさっていました。
なんだか、目が点になるくらいの「ゆるいやり方」です。ところが、こんな方法が「ちょうど良い力加減」だということを、強くお伝えしておきます。ここは大事なところです。
では、この「ちょうど良い力加減」とは、どういうことなのか? もっと強力な「エアーで吹き飛ばす方法」や「水洗い」ではなぜダメなのか?
引き続き、ご説明します。
ボッシュが掃除をすすめない理由
なぜ「ちょうど良い力加減」が大事なのか? これを分かっていただくためにも、ボッシュやデンソーが「フィルターの掃除をすすめない理由」をピックアップしてみます。
- 掃除を前提に作られていない
ボッシュもデンソーも交換が基本。そもそも掃除をする前提でフィルターは作られていない。 - 繊維の中のホコリ等は取れない
表面のホコリは取れても、何層にもなっているフィルターの「繊維の中に取り込んだゴミ」は取れない。 - フィルタリング機能は復活しない
見た目を綺麗にしても、フィルターの機能は復活しない。もちろん、目詰まりも解消されず風量は落ちてしまう。
そもそもが、こうなんです。にもかかわらず「力ずくで汚れを落とす掃除」をするとどうなるのか?
まず「エアーブロー」で汚れを吹き飛ばす方法からご説明します。その後に「水洗い」で落とす方法も見ていきましょう。
エアーブローは強すぎると逆効果
エアーブローでの掃除は、吹き出す空気で汚れを飛ばすやり方です。馴染みのない方でも、次の動画を数秒見ればお分かりいただけると思います。
この場合はエンジンルームの掃除ですが、これをフィルターの掃除に使おうという訳です。
そして仮に、エアコンフィルターの繊維中にあるホコリが吹き飛ぶくらい「強力なエアーブロー」を掛けたとします。
すると「フェルト状のきめ細かい繊維」が変形してしまって、繊維に隙間が空いてしまいます。これでは、せっかくのフィルタリング機能が台無しです。
強いエアーで繊維の隙間が空くと「粒のちいさなPM2.5」などは、その間を通り抜けてフィルターに取り込まれなくなります。つまり「力ずくでは逆効果」になることもあると言えます。
もちろん、表面のホコリを吹き飛ばす程度であれば問題ないと思います。ただ、弱すぎると汚れが取れません。そう、ちょうど良い力加減が大事なんです。
結局、それくらいの強さだと「ハケでの掃除」と効果はあまり変わらないと私は考えます。
水洗いは論外というお話
次によく聞く掃除の方法が「直球勝負の水洗い」というやり方です。洗剤や漂白剤を使って、やさしく洗えば汚れも落ちるし匂いも取れるとの声も多く聞きます。
実際に、私も挑戦したことがあります。
水に濡らすと、フィルターが変形してしまうのが気になりましたが、その経験から「上手にやれば効果的なのでは?」と、密かに考えていました。
しかし、メーカーさんのコメントは、
- 効果はないので おすすめできません
by BOSCH
- データがないので お答えできません
by DENSO
頭から、ガッツリ否定されました。
水洗いについての質問は論外なのか、まったく取り合ってもらえませんでした。
ただ、水洗いにはメリットが全然ないと私は思いません。というのも、フィルター自体がタバコなどの悪臭をはなっている場合には、洗えば匂いがなくなります。
その代わり、フィルターとしての機能はかなり失われます。
悪臭の原因がフィルターなら、洗えば匂いがなくなります。代償として、フィルタリング機能は低下します。
理由はエアーブローの場合と同じで、繊維が荒れてしまうから。さらにフィルターに消臭機能などが付いていれば、その効果もなくなるはずです。
なお、エアコンの掛け始めに感じる酸っぱい匂いなどの、悪臭が我慢できない時には「フィルターの交換」がおすすめです。
脱臭対策のオススメは、自分でフィルター交換にトライすること。別記事で、実際に交換する様子を動画で分かりやすく説明しています。経費節減にもなりますので、ぜひ参考にしてください。
家で交換すれば工賃も掛からず、ネットで好みのエアコンフィルターを探す楽しさも味わえます。
さいごに
最後に「ゆるい掃除方法」の、おさらいをしておきます。
- 基本は掃除ではなく交換
- やるなら「ゆるいやり方」がおすすめ
- 強すぎるエアーブローはダメ
- 洗いの代償はフィルター機能の低下
繰り返しますが、ちょうど良い力加減が効果的です。
考えてみれば、最近のエアコンフィルターは「高性能のものが増えてきている」と感じます。今回の体験で、エアコンフィルターは「思いのほか繊細に作られているのだな」と、ひしひし感じました。
また、大気汚染が世界的に進んでしまえば、エアコンフィルターは大きな役割を担い続けるのでしょう。そうならないように、私達は願うしかありません。