ひな祭りの由来を簡単に!保育園の子供向け教え方
ひな祭りといえば、とっても華やかなイメージです。でも、そのひな祭りには「華やかさだけではない色々な由来」があるのをご存知ですか? 今回は、そんな世界を知っていただくために「きらびやかな ひな祭り」や「ちょっぴり悲しい ひな祭り」をご紹介します。
まずは、大人向けの「ひな祭りの由来」をご説明します。話をするみなさんが、由来を理解をなさってからの方が自信を持って教えられるからです。
その後に、保育園の子供向け「ひな祭りの由来」をご紹介します。園児の心にも響く切ない物語も含めて、3つのお話を厳選しました。
子供にも分かるように優しく書きましたので、書かれている事を読んで聞かせるだけで「ひな祭りの由来」を簡単に教えることが出来ますよ。
大人向け ひな祭りの由来

子供たちに分かりやすく教えるには、私達がよく理解してお話することが近道です。という訳で、ひな祭りの由来を簡単に見てみましょう。
現在のひな祭りは、以下の様な3つの風習が一緒になって出来たとされています。
- 中国の 上巳節(じょうしせつ)
- 日本の 流しびな
- 日本の ひいな遊び
この3つを、サクッと説明しますね。
中国の 上巳節(じょうしせつ)

漢の時代の中国に、徐肇(じょちょう)と言う男がいました。徐肇は3月の初めに、3人の女の子を授かりました。
しかし、その女の子達は3日以内に3人とも死んでしまいます。娘の死に悲しむ徐肇の様子を見ていた村人達は、何かのたたりに違いないと、酒と川の水で3人の体を清め水葬したとされています。
その後、災いを除くため3月3日には水辺に出て、お祓いを行い宴会を催す風習に変わっていきます。
これが中国の 上巳節(じょうしせつ)です。
日本の 流しびな(祓 はらえ)

平安時代の頃になると、その風習が日本にも伝わり3月3日にお祓いをするようになります。
その後、自分の身に降りかかる災難をさけるために、息を吹きかけた紙の人形を川や海に流すようになりました。ここから災厄を祓うという風習が生まれます。
これが、地域によっては現代でも行われている「流しびな」の始まりです。
日本の ひいな遊び

その頃、貴族で流行っていた「人形を使ったままごと」、つまりひいな遊びが江戸時代の子供の間でも大流行になっていきました。このひいな遊びにはある特徴がありました。
遊びで使う人形は、必ず男の人形と女の人形の2つの人形を対で使っていたということです。これがお内裏様(男雛と女雛)が、必ず対で飾られる原型になったとされています。
こんな特徴をもったままごとが、ひいな遊びです。
4. 大人向け ひな祭りの由来 まとめ
今までの話をまとめると...
- 中国の 上巳節(じょうしせつ)
川の水で身を清めることで、
災いから逃れようとする風習。 - 日本の 流しびな(祓 はらえ)
紙の人形に災いを託して川に流し、
子供の無病息災を願う風習。 - 日本の ひいな遊び
対の人形で遊ぶおままごとのこと。
この3つの風習が混ざり合って、現在のひな祭りになっていきます。諸説ありますが、これがひな祭りの1つの由来です。
子供向け ひな祭りの由来
いよいよ子供たちのためのお話です。物語のようにゆっくり読んで聞かせれば、きっとひな祭りの由来を分かってくれますよ!
水できれいにして お願い(上巳節)
むかしの中国のお話です。
あるところに徐肇(じょちょう)という名前の
お父さんが町のみんなと仲良く暮らしていました。
じょちょうお父さんには3月の始めに生まれた
かわいい3人の女の子がいました。

お父さんは、3人の女の子が生まれて
とっても喜んでいました...。
ところが、女の子たちが生まれてから
3日たったある日のことです。
3人の女の子は、つぎつぎに病気になって
みんな死んでしまいます。
お父さんは、とっても悲しみました。
それからお父さんは、ご飯も食べれなくなって
ついに病気になってしまいました。
そんなお父さんを心配した町のみんなは、
お父さんの家に集まって言いました。
悲しんでばかりいると子供たちも喜ばないよ。
悲しい事や嫌な事は、川の水で流せるそうだ。
私達も、川の水で体も心もきれいにしよう。
心をきれいにして神様にお願いすると、
悲しい事や嫌な事も、きっとなくなるよ。
そうして、町のみんなとお父さんは、
川に出かけて体をきれいに洗いました。
川の水で体を洗うと、不思議なことに心まで
きれいになっていきました。
そして、きれいになった心で神様にお願いをします。
悲しい事や悪い事が、町のみんなに
これからずっ〜と起こりませんように...。
すると、お願いをしてからは悲しい事が
すっかり起きないようになりました。
それからの中国では、3月3日にみんなが
「幸せになれるように」とお願いするようになりました。
お人形さんへの お願い(流しびな)

今度は、むかしの日本のお話です。
中国のお話を聞いた日本のみんなも、
みんなが幸せになるようにと、3月3日に
いろんなお願いを神様にしていました。
雪が沢山ふって寒くなっても
みんなが病気をしないように!
強い風がふいたり、雨が降りすぎて
お米が取れなくなったりしないように!
そして、神様へのお願いといっしょに
お人形にも、お願いをするようにしました。
お人形さん!
悲しいことが起こらないように、
嫌なことを全部持って行ってください。
そんなお願いをしながら、船に乗せたお人形を
みんなで川や海へ流します。
そうするとお人形が嫌なことを、
持って行ってくれました。
そのおかげで、みんなは幸せに暮らしていました。
お人形さんで おままごと(ひいな遊び)

その頃日本では、
紙のお人形を使ったおままごとが、
子ども達に大人気でした。
そのおままごとは、ひいな遊びと言って
女の子と男の子が一緒になって遊んでいました。
女の子と男の子が一緒になって遊ぶので、
女の子のお人形と、男の子のお人形の
2つのお人形をいつも使っていました。
ひな祭りが女の子のお祭りでも、
おひめ様とお殿様の、2人の
お人形を飾る始まりなんです。
子供向け ひな祭りの由来 まとめ
今までの3つのお話...
「中国のお話」と「日本のお話」、そして「おままごと」が一緒になってひな祭りになりました。
最初は川に流していたお人形も、おひな様として
家の中に飾るようになりました。
それからなが~い時間がたって、
おひな様の数がだんだんと増えていきます。
そうして、今のような3月3日の
立派なひな祭りになりました。
さいごに
ひな祭りの由来には、子供たちに対する思いや沢山の願いが込められていると思います。由来のお話を通して、こんな事が子供たちに教えられたらいいですね。
- 水できれいにして お願い(上巳節)
ちゃんと、おかたづけしたら
みんなの心も、きれいになります。 - お人形さんへの お願い(流しびな)
きれいな心でお人形さんにお願いしたら、
お人形さんは、お願いを聞いてくれます。 - お人形さんで おままごと(ひいな遊び)
そして、女の子も男の子も仲良く遊んだら、
みんな幸せになれます。
最後に忘れてはいけないのは、お父さんやお母さん、保育園の先生、それから、保育園の園長先生が「みんなのこと」をお願いしてくれているので、今も幸せに暮らせているんです。