節分の豆まきの由来!子どもの為のお話
節分の「豆まきの由来」をご存知ですか? 由来としては、こんな古い伝説がその始まりとされています。
その昔、京都の鞍馬山には鬼が住んでおり、度々出てきては都を荒らしていました。
この悪い鬼の目を炒った大豆で打ちつぶし、鬼という災難や苦しみから逃れました。
鬼を災厄(さいやく)の象徴として描いたんですね。その鬼を退治して災厄を振りはらう。つまり、豆まきとは災いや苦しみから逃れるための儀式だった訳です。
でも、小さな子どもにその意味を教えるには、説明の仕方がちょっと難しいですね。そんな時には、豆まきを舞台にした「子どもの為のお話」をしてみてはいかがでしょう? 小さな子どもさんのための、やさしく分かる「節分の豆まきのお話」です。
おじいさんと おばあさんの お話

鬼さんは どこにいるの?
むかしむかし、あるところに、
おじいさんと、おばあさんが、
住んでいました。
お外には、雪がたくさん積もっていました。
とっても寒いので、おじいさんは、
毎日、毎日、火を燃やして、
部屋の中を暖かくしていました。
ところが、ある日のことです。
おじいさんは、火を燃やすのが、
少しだけ、めんどくさくなって、
火を燃やすのが、いやになりました。
おじいさんは、言いました。
毎日毎日、火を燃やすのはいやだなぁ。
あぁ、いやだな〜。いやだな〜。
そうだ、今日は火を燃やすのを、
やめてしまおう!
その日おじいさんは、火を燃やしませんでした。
そしてお部屋は、どんどん寒くなっていきました。
いやいや鬼が でてくるよ
そうすると次の日、おばあさんは、
ひどい熱を出してしまいました。
おじいさんが、火を燃やさなかったから、
おばあさんは、風邪をひいてしまったのです。
おじいさんは、おばあさんに、あやまりました。
おばあさん、ごめんね。
わしがきのう火を燃やさなかったから、
おばあさんに風邪をひかせてしまった。
すると、おばあさんは言いました。
おじいさん、そんなことはありませんよ。
おじいさんがきのう、火を燃やすのが、
いやになったのは ...
おじいさんの心の中にいる、
いやいや鬼が出てきたんですよ。
おじいさんが悪いのではないのです。
鬼さんは、みんなの心の中にいますから!
鬼に象徴される災いや苦しみは、子どもの心の中に、そして大人の心の中にも沢山ひそんでいます。
その災厄を形に表したものが、節分の鬼です。でも、小さなお子さんには理解が難しいかもしれません。
ここで、ぜひ子どもに教えてあげたいのは、悪い鬼は、みんなの心の中にもいるということ。
おこりんぼ鬼、泣き虫鬼、いじわる鬼 ...などなど。あなたのまわりのお子さんにも、鬼さんは沢山いますよね。こんなことを、この時期に学んでおけば、大きくなってからも、きっとためになるでしょう。
どうして 豆まきするの?

鬼さんが きらいなもの
そのまた次の日、おばあさんは、
おじいさんに言いました。
おじいさんの中にいる「いやいや鬼」を、
豆まきをして、やっつけましょう!
豆まきをすると、いいことがあります。
豆には、鬼さんをやっつける、
不思議な力があるからです。
だって、鬼さんは豆が大嫌いですから。
そして、おじいさんとおばあさんは、
そのことを知っていたのです。
みんなで やると強いよ
そして、おばあさんは、
1人で豆まきを始めました。
鬼は 〜 外! 福は 〜 内!
でも鬼さんは、なかなか逃げて行きません。
おばあさん1人の力では、鬼さんの方が、
少しだけ、強かったのです。
そして今度は、2人で豆まきを始めました。

おじいさんと、おばあさんは、
声を合わせて、2人で豆を投げます!
鬼は 〜〜 外 !!
福は 〜〜 内 !!
2人から豆を投げられた鬼さんは、
たまりません。
さらに、おじいさんと、おばあさんは、
力をあわせて、一緒に投げ続けます!
鬼は 〜〜 外 !!
福は 〜〜 内 !!
そして、ついに ...
鬼さんは、逃げ出しましたとさ。
節分の豆まきは、昔の追儺式(ついなしき)も由来とされています。追儺(ついな)とは、災難や邪気を追い払い清めるための行事だったようです。
大事なのは、みんなで協力すること。
ひとりひとりの力では解決出来ないことを、みんなが一緒に力を合わせて立ち向かう。こんな意味も、追儺式には込められていたのでしょう。
最後に
昔から伝わる日本の行事には、それぞれに後世に伝えようとする大切な思いがあります。大人の私達でさえ知らないことが沢山あります。
ただ豆まきというイベントを済ますだけではなく、その大切さを伝えていきたいものですね。そんな思いを込めながら、この記事を書きました。節分という行事からこれらのことを学び、子供たちのこれからの長い人生に役立てば嬉しく思います。