鯉のぼりには意味がある?子供に教えたい飾りの意味合い
こどもの日の鯉のぼりは、いろいろな部品からできています。主役の「鯉」や「吹き流し」、その他にもカラカラ回る「矢車」など。もちろん、これらの飾りには深い意味が込められています。
鯉のぼりに使われている飾りを、上から順によ~く見てみると ...

いかがしょう。 おそらく次のような疑問が出てくるのではないでしょうか?
- 丸い飾りは なぜキラキラ☆?
- 矢の車輪は なぜカラカラ♪?
- 吹き流しは なぜ5色?
- およぐ鯉は どうして鯉?
なんだか不思議ですよね。でも鯉のぼりは、どうしてこんな飾り付けをするのでしょう?
それは、この4つの飾りにはそれぞれ違った意味があるからなんです。まずは、それぞれの飾りが持っている意味を、理解してみませんか? そうすれば、子供さんにも分かりやすく教えることが出来るはずです。
では早速、それぞれの飾りを上から順に見ていきましょう。あわせて、我が家で効果があったやさしい教え方もご紹介しますよ。
回転球は神様の目印

一番上に付ける丸い飾りを、回転球と言います。回転球を付ける意味は、神様をスムーズにお招きすること。この回転球が、空からやってくる神様の、目印になる訳です。
そもそも江戸時代の頃には、駕籠玉(かごだま)と呼ばれる竹で編んだ丸いカゴを付けていました。
かごだまを天に向けて差し出すと、神様を呼び込めると考えられていたからなんです。かごだまは時代と共に金箔を貼るようになり、しだいに派手になって行きました。
その名残が、キラキラと輝く現在の回転球です。
目印があれば、神様も迷うことはありません。そして無事に来てもらえれば、子どもを災いから守ってもらえますから。
子供に教える時のポイントは、分かりやすい言葉。回転球や災いでは、子どもにはちょっと難しいですから。そこで我が家では、回転球のことをキラキラボール、災いのことをお化けと言い替えて教えていました^^
神様は、遠い空からやってきます。キラキラボールを目印にやってきます。
いつも良い子にしているんだよ。すると神様はちゃんと見ていて、お化けからみんなを守ってくれます。
神様は、いつも良い子の見方です。
さて、次は矢車と吹き流しです。
矢車と吹き流しは魔除け

二番目に付ける車輪みたいな飾りは、矢車(やぐるま)と言います。そして三番目の飾りは、5色の吹き流しです。
矢車と吹き流しを付ける意味は、両方とも魔除けです。
端午の節句を中国の漢代までさかのぼると、奇数が重なる月日は悪いことが起こるとされていました。こどもの日である5月5日は、まさに奇数が重なっています。
この厄を払う為に、
- 矢車が風に吹かれて カラカラと音を出せば魔除けになる
- 吹き流しの五つの色 黒(紫)・赤・青・黄・白・が魔除けになる
こんな風に、考えられていたんですね。
使われている色にも、それぞれ意味があります。過去の文献から、独自に調査してみると...
- 黒は 冬でも命をつなぐ力
- 赤は 夏のように熱い気持ち
- 青は 夏の新緑を喜ぶ心
- 黄は 季節の変わり目への驚き
- 白は 秋のように確実に
これらは中国の思想で、人の持つ力を色で表現していると言うことです。人生もバランス良く力を発揮すれば、災いも逃げていくんでしょう。また、吹き流しはその家の象徴ともされています。
ここでの教え方のポイントも、やっぱりやさしい言葉。
我が家では、矢車のことをカラカラ車、吹き流しのことを鯉さんのお家、こんな名前で呼んでいました^^
カラカラ車は「カラカラ」となる音で、怖いお化けをビックリさせます。そして、お化けをやっつけます。
鯉さんのお家は、きれいな5色です。きれいな5色はあまりにきれいで、化けはビックリします。。
これでお化けは、逃げていくんだよ。
さて、いよいよメインの鯉について見ていきましょう。
鯉は立身出世の象徴

鯉を泳がせる意味は、子どもの立身出世を願う親の気持ちです。
中国には「鯉は滝を登り切ると 龍になる」と言う故事があります。
黄河を登る鯉が、龍門と言う難所を突破すると晴れて龍になれる訳です。まさに、鯉は立身出世の象徴なのです。
私達の子どもに、置き換えてみます。今からの社会を生きていく過程では、様々な難関が待ち受けています。雨の日もあれば、風の強い日もあるでしょう。
でも、負けずに努力すれば道は開ける! 頑張るからこそ大きくなれる! こんな考え方を、ぜひ教えたいですね。
鯉さんは、雨が降ってもくじけません。雨の時は、じっと我慢します。雨の後は必ず晴れますから。
鯉さんは、風が吹いても負けません。強い風の分だけ、元気に泳ぎます。泳いだ分だけ大きくなれます。
あなたも鯉さんのように負けなければ、自由に泳ぐことができるでしょう。真っ青な空で、泳げるようになるでしょう。
なぜなら、お父さんやお母さんの鯉は、今でも負けていません。だからこそ、家族みんなで泳げているんですよ。
最後に
最後に、軽くおさらいをしておきます。鯉のぼりには、3つの意味がありました。
- 神様を招く
- 魔除けをする
- 立身出世を願う
神様を招いて守ってもらい、厄除けをして邪気を払う。そして、自身で身を立て世に羽ばたく。こんな願いを鯉のぼりに託して、子どもの成長を願う訳です。
子供は、すくすく成長します。つまり、その時にしか教えることができない一瞬があると思います。あなたが今から一緒に鯉のぼりを眺められるのなら、まさに今がその一瞬がもしれません。